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野見の潮ばかり

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:KUTV テレビ高知
放送
:3月4日(日) 14:00~14:54

ダイドードリンコスペシャル

日々青く、僕らの海 ~潮ばかりにかける男たち~

野見の潮ばかり

「潮ばかり」とは、海の神に感謝の気持ちを込めて、海上安全を祈願する祭りだ。
高知県須崎市野見。海とは切っても切れない歴史を歩んできた小さな漁師町。豊かな黒潮の恩恵は、地元民に食を提供し、子どもたちの遊び場としてもこれ以上はない。そんな彼らも2011年3月11日を境に少しずつ考え方が変わってきた。東北からおよそ900kmも離れていても来るものは来る。野見を含む須崎市の被害総額23億円。
2012年2月5日。月夜の浮かぶ水面がいっそう揺れ始めた。酒で麻痺を誘い、極寒の海へ男たちが入水していく。「潮ばかり」が始まったのだ。祭りに関わるほとんどの人が海の仕事。だからこそ変わり始めた考え方。しかし、変わらずに守りたい伝統もある。現代に生きる漁師たちの地元底上げ祭りが今宵始まる。

祭り紹介

  • 祭り写真館

野見の潮ばかり

海の神様の竜神に無病息災と豊漁を願って行われる、高知県の無形民俗文化財の祭り。「潮ばかり」とは、高さ15mほどの破竹(淡竹/はちく)の先端に、5色の短冊を飾りつけたもので、海中に立てられた潮ばかりが沖の方に向かって倒れるとその年は豊漁、岸の方に向かって倒れたら豊作になると言い伝えられています。

開催日
旧暦1月14日
場所・アクセス
高知県須崎市野見の潮ばかり公園
・高知県須崎東インターから車で約15分程
お問い合わせ
野見漁業協同組合
0889-47-0221

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

祭りのご紹介
歴史
みどころ
注目ポイント
ふるさと自慢
メッセージ
野見の潮ばかり保存会 会長 岡﨑 崇文(おかざき たかふみ)さん
「祭りを継承する野見地区は過疎と地場産業である漁業の低迷で、祭りの中心となる若者の数が減ってしまいました。人数は少なくても、今の若者たちが頑張って地域の大切な伝統を守ってくれています。」
野見の潮ばかり保存会 会長
岡﨑 崇文(おかざき たかふみ)さん
歴史

竜神様に豊漁を祈願する小正月の行事

シシゾウ:野見の潮ばかりは、いつごろ始まった祭りですか?

岡﨑:旧暦の1月14日、高知県の各地域では小正月の行事として火祭りのどんど焼きが行われます。漁師の若者たちが飾り付けた竹を海中に立て、無病息災と豊漁を祈願する野見の潮ばかりも形式こそ違いますが小正月の行事です。この祭りがいつごろ始まったのかは文献が残っていないのではっきりとは分かりませんが、江戸時代、土佐藩主の山内公が参勤交代の際、船で行き来するのに海の神様の竜神様に海上安全を祈願して行われるようになったという言い伝えがあります。昔は野見以外の地域で同様の祭りを行うところがありましたが、後継者難などで廃れ、昔ながらのやり方で行うのは私が知っている限り、野見地区だけになりました。


シシゾウ:「潮ばかり」とはどういう意味ですか?

岡﨑:潮ばかりは祭りの名前であると同時に、海中に立てる竹そのものを指します。なぜ、潮ばかりと呼ばれるようになったのかは分かりません。行われるのが真夜中の干潮時ということから「よしおさま(夜潮様)」「よしおさん」という呼び方をすることもあります。この潮ばかりの竹で、その年の地区の運勢が占われます。海中に立てた竹が倒れた向きが沖の方なら豊漁、岸の方なら豊作とされています。
潮ばかりにする竹は昔から破竹と決まっています。孟宗竹だと重量が重すぎてうまく立ち上がりません。長さは約15m、直径は成人男性が親指と人差し指で円を作ったくらいの大きさで、粘りがあって丈夫なことが条件です。山の手入れが行き届いていた時代は良い竹が地元でも手に入ったのですが、山が荒れてしまったため、30年ほど前から須崎市(すさきし)の隣町の中土佐町(なかとさちょう)久礼(くれ)の竹やぶに取りに行きます。祭りの1週間くらい前、若者たちが下見に行って、これはという竹に目星をつけ、祭り前日に根付きの状態で山から取ってきます。丈が長すぎて車では運べないので、久礼の漁港から野見の漁港まで船で運びます。竹が到着すると、地区の古老たちが自然に集まってきて「今年はええ竹だ」「今年の竹はいかん」といった具合に品評会が始まります。
飾り付けは、七夕飾りのような色とりどりの短冊を3枚1組でこよりに通したものを枝に付けます。用意するこよりの数は3000~4000本と大量です。以前は若者たちが祭りの1週間前から仕事が終わった後に飾り作りをしていましたが、15年ほど前から地元の南小学校の生徒が地域学習の一環で作ってくれるので大いに助かっています。

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みどころ

地区中を搗(つ)いて回って悪霊を追いはらう

岡﨑:祭り当日、飾り付けられた潮ばかりの竹は野見地区の東側にある広場に立てられます。そこから若者たちによって海辺の潮ばかり公園まで運ばれます。出発する時間は干潮の時間を見計らって決めます。例年、出発するのは夜の10時ごろです。竹を運ぶときは、根っこ側を先頭に十数人の若者たちが肩で担ぎ、根っこを地面につけたまま滑らせるようにして進みます。根っこの上にひとりの若者がまたがるように座り、舵取りをします。
移動のときのみどころは、町の辻数ヵ所で行われる地搗きです。地搗きは、餅搗きの杵のように、潮ばかりの竹で地面を搗くもので、地区内の悪霊を退散させる意味合いがあります。決められた場所にくると、竹はサンヤリという、輪に三本足がついた道具を使って倒れないように支えられ、三方からロープで引っ張ってまっすぐに立てられます。すると若者が竹の根本近くを3人で、目の高さくらいのところを6人で持ち上げ、古老が歌う木遣唄(きやりうた)に合わせて掛け声をかけながら地面に勢いよく数回打ち付けます。竹は重く、山から取ってくるときにも大の男が7、8人がかりなのに、そこに大量の飾りが付いているのでかなりの重量になっています。それでも若者たちは自分たちの力を誇示するために、持ち上げた竹を宙に浮かせたまま、しばらく静止させるという力技もやってみせます。しかし、回数を重ねるとさすがの若者たちも疲れてきて、竹を勢いよく持ち上げられなくなります。すると周りで見守っている年配の人たちが「なにしよるか!」と叱咤するので気が抜けません。
地搗きの締めくくりには竹が激しく揺さぶられます。すると、短冊のこよりが切れヒラヒラ落ちてくるので、子どもたちがワッと駆け寄ってこれを拾い集めます。この短冊を持ち帰ると魔除けのご利益があるとされているからです。

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注目ポイント

若者たちが寒中の海へダイブ

岡﨑:潮ばかりの竹を海中に立てるときがこの神事のクライマックスです。あらかじめ海中には竹を結び付けるための足元杭と呼ばれる3本の杭が立てられています。この杭の上に青年団長が立ち、陸から渡される竹の根っこ側を受け取ります。根っこが杭に差し込まれると、サンヤリとロープを使ってゆっくり起こしていくのですが、海中に立てる前にヤナギと呼ばれる割竹に色紙を付けた飾りが新たに取り付けられるので、重量がさらに増し、皆の息が合わないとうまく立ち上がりません。するとすぐさま周りの年配者から「何しよる!」と叱咤が飛んできます(笑)。
竹を立てるとき、海中から手助けするために若者たちが海に飛び込むところもみどころです。私が青年団員だったころは足元杭に船を横付けして作業したものですが、数年前、若い衆が「昔みたいにやらないかん」と言い出して海に入るようになりました。いくら高知が南国とはいえ真冬なので海に入れば凍え上がります。それでも昔どおりにやろうという若者たちの心意気がとても頼もしいです。


シシゾウ:潮ばかりの竹はどれくらいで倒れるのですか?

岡﨑:竹をくくりつけた藁の綱はそう簡単には切れません。例年、竹が倒れるまでに1週間から10日くらいかかります。天気が良ければ、短冊が落ちずについているので重みで竹が真ん中から折れるときもあります。

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ふるさと自慢

タイ、カンパチなど海の幸が勢ぞろい

シシゾウ:須崎市野見地区でおすすめの特産物や観光スポットを教えてください。

岡﨑:漁師町の野見地区には漁港があり、新鮮な魚が水揚げされます。タイやカンパチの養殖も盛んです。特産のタイを使って「はちきんグループ」という地元の地域おこしグループが作る鯛めしは人気商品です。鯛めしやタイ、カンパチなどの鮮魚は「楠木鮮魚一(くすのきせんぎょいち)」という直売所でお買い求めいただけます。

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メッセージ

祭りの伝統を守っていこうとする心意気を
見てほしいです

岡﨑:野見の潮ばかりは高知県の無形民俗文化財に指定されている歴史のある祭りです。しかし、祭りを行う野見地区は小さな集落で、若者の定着率も低いため、ここ数年は近隣の地区の応援も受けながら開催しているのが現状です。それでも地元の若者たちは地域の伝統を自分たちの代でつぶしてはいけないという思いを胸に、頑張って祭りに取り組んでいます。このような祭りがあるということを多くの皆さんに知っていただき、時間帯は遅いですが、小さな地区でもこれだけ頑張っているんだというところを見に来ていただきたいと思います。

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