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勝岡八幡神社 一体走り

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:itv あいテレビ
放送
:10月28日(日) 13:00~13:54

ダイドードリンコスペシャル

駆けよ神守(しんもり)! ~勝岡八幡神社 一体走り~

勝岡八幡神社 一体走り

ゆっくりと参道へ向かう神輿。引き締まった表情の担ぎ手たち。男達が心を一つにした瞬間、神輿は走りだします。松山市の勝岡八幡神社秋季大祭の最大の呼び物が一体走りです。一体走りは、褌(ふんどし)に、襷(たすき)掛けした神守(しんもり)と呼ばれる若者が、神輿を担ぎ約100mの参道を走る県内でも珍しい神事です。起源は明確ではないものの江戸中期の文献には既に登場している伝統ある祭りです。走る際には、できるだけ神輿を上下左右に動かさないのが美しい姿とされ、担ぎ手たちは当日まで1か月近く練習します。
番組では、伝統を守る為に会を組織するある地区の男達にスポットをあて、一体走りの練習を重ねる若者たちと彼らをサポートする年長者が本番に向けて心を一つにしていく姿を追います。

祭り紹介

  • 祭り写真館

勝岡八幡神社 一体走り

一体走りは珍しい神事で、褌(ふんどし)姿の神守10名程が神輿を担いで参道約100mを走り込みます。神輿を揺らさず美しく走る姿は人を魅了し、松山市無形民俗文化財にも指定されています。一体走り後の安城寺町の川狩りは、褌姿の氏子が地元久万川(くまがわ)で神輿を祓い清める神事。川の汚染で今は専用施設で行っていますが、一目見ようと客が絶えません。

開催日
10月7日 ※毎年同日
場所・アクセス
愛媛県松山市勝岡八幡神社

■勝岡八幡神社
・伊予鉄道 松山市駅、又はJR松山駅より伊予鉄バス62番線「勝岡免許センター」行き約30分、「勝岡神社前」にて下車
・JR伊予和気駅より伊予鉄バス62番線「勝岡免許センター」行き約5分、「勝岡神社前」にて下車

■安城寺町
・伊予鉄道 松山市駅、又はJR松山駅より伊予鉄バス62番線「勝岡免許センター」行き約20分、「安城寺」にて下車
・JR伊予和気駅より徒歩15分、又は62番線伊予鉄バス「松山市駅」行き約5分、「安城寺」にて下車
お問い合わせ
松山市教育委員会文化財課文化財保護担当
089-948-6603

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

祭りのご紹介
歴史
みどころ
注目ポイント
ふるさと自慢
メッセージ
安勝会(あんしょうかい)会長 洲之内 由紀夫(すのうち ゆきお)さん
「勝岡八幡神社秋季大祭の一体走りは全国でも珍しい神事で、松山市の無形民俗文化財に指定されています。秋季大祭は、下は高校生から上は60代、70代の方たちまで、地区の人々がひとつになって参加し神輿を担げる行事で、地域の和を深められる場になっています。」
安勝会(あんしょうかい)会長
洲之内 由紀夫(すのうち ゆきお)さん
歴史

献上品を濡らさないように浜を走ったのが始まり

シシゾウ:勝岡八幡神社 一体走りは、いつごろ始まった祭りですか?

洲之内:一体走りは10月7日の勝岡八幡神社の秋季大祭に行われる神事で、鉢巻きに褌姿の若者たちに担がれた神輿が、一体ずつ約100mの参道を駆け抜けるという、他所にはない珍しいものです。始まった時期ははっきりしていませんが、江戸時代中期の文献に出てくる「走り込み」が一体走りを指しているとされ、その頃には既に行われていたと思われます。由来として私たちが伝え聞いているのは、勝岡の特産だった塩を朝廷に献上する際、遠浅の和気浜(わけはま)を褌一丁の若者たちが、沖合に停泊している御用船(ごようせん)まで塩を濡らさないように担いで走っていったのが始まりというものです。
祭りに神輿を出すのは勝岡八幡神社の氏子地区の7地区です。漁業や農業に携わる人が多かった昔と違い、今はお勤めの人が多いので、祭りが平日の場合は参加者を確保するのが難しくなっています。そこで私が住む安城寺(あんじょうじ)地区では、祭りの伝統を守っていくために平成11年に「安勝会」という会を作りました。ほかの地区でも、同じように会を作って継承に努めています。

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みどころ

すべるように神輿が朝日に向かって疾走

洲之内:一体走りは朝に行われます。神輿を勝岡八幡神社から出す「宮出し」が午前6時から行われるので、神輿を出す地区は宮出しの時間に合わせて自分たちの神輿を担いで神社に向かいます。安城寺地区は神社から少し距離があるので午前3時には出発します。安城寺地区で神輿を担ぐのは青年団のメンバーで、白い浴衣姿で統一しています。青年団といっても年齢は区切っておらず、自称青年ならだれでも参加できます(笑)。午前5時前に7地区の神輿が神社に勢揃いすると、神輿に勝岡八幡神社の神様を入れていただく「神移し」が行われます。その神移しが終わると、次は宮出しが行われます。神輿は一体ずつ神社の石段を降りて御旅所に移動するのですが、石段を降りるときの神輿の担ぎ方がちょっと変わっています。神輿のかき棒を肩に担ぐのではなく腰の下でぶらさげるようにして持ち、前側の担ぎ手がかき棒を上にポンポン放り上げ、最後に神輿を高く差し上げます。この担ぎ方を私たちは「段盛り(だんもり)」と呼んでいます。御旅所に7体の神輿が揃うと、今度は神輿のかき比べが行われます。「神輿をかく」という言い方をするのですが、神輿を勢いよく上下に動かすことを互いに競い合うもので、安城寺地区は伊勢音頭を歌いながら行います。段盛りとかき比べはみどころだと思います。


シシゾウ:一体走りはどのように行われるのですか?

洲之内:一体走りで神輿を担ぐ若者たちを「神守」といい、安城寺地区では高校生から20代前半の青年で構成します。現在、神守は一組だけですが、以前は青年の人数が多く、数組の神守が作れたそうです。一体走りが始まる前に御旅所で地区の男たちがかき比べをしている間、神守は神輿宿(やど)で待機・準備をしています。以前は、勝岡町の民家に各地区の神輿宿が設けられ、賄いなどのお世話をしていましたが、今は公民館が7地区共通の神輿宿になっています。
一体走りが始まるのは午前7時過ぎです。7地区が走る順番は、安城寺(あんじょうじ)、和気町(わけまち)1丁目、太山寺(たいさんじ)、和気町2丁目、高浜町(たかはままち)6丁目、高浜町1丁目、勝岡と昔から決まっています。一体ずつ御旅所から出てきた神輿は、裸足で褌姿の若者たちに担がれ、舗装された一直線の参道を朝日の昇ってくる東に向かって駆け抜けます。一体走りで最も重視されるのは速さよりもきれいなフォームです。宮中に献上する塩を運んだという故事にちなんで神輿を献上物に見立て、できるだけ揺らさないように平行を保ちながら滑るように走るのが理想です。神輿についている鈴を鳴らさないことも良い走りの条件です。走るタイムを計ったり、走りの美しさを審査するわけではありませんが、どの地区も他の地区に負けない走りをしようと頑張りますし、沿道の観衆もよい走りには拍手や声援を惜しみなく送ります。


シシゾウ:一体走りでは神輿を何人で担ぐのですか?

洲之内:6地区は10人で担ぎますが、安城寺地区だけが9人で担ぐ習わしです。いい走りをするためには、担ぎ手を神輿のどの位置に配置するかが一つのポイントになります。
神輿は御旅所を出発してすぐに走り出すわけではなく、最初は歩き、ある地点から走り出します。走り出し方は地区ごとにそれぞれ流儀があるので、違いを見つけるのも楽しいと思います。安城寺地区の場合は、ここから走るという地点の少し手前からかき棒の前側を担ぐ2人が神輿を軽く上下に振り出し、最後に勢いをつけるように大きく振り出してから走り出します。他には、歩く歩調を少しずつ早めて駆け出したり、歩く姿を長く見せるために走り出す地点を越えても歩き続けるなどのやり方もあります。
神輿の担ぎ手たちの扮装もみどころです。褌の上から帯を巻き、たすき掛けして鉢巻きを締めるのですが、帯やたすき、鉢巻の色はそれぞれの地区の神輿の覆い布の御絹(おきぬ)の色に合わせたものになっています。御絹の色は赤、青、黄の3通りがあります。7地区あるので同じ色のところが出てきますが、一方が褌を六尺褌にすれば、もう一方は越中褌にするなど必ず違いを出して区別がつくようにしています。


シシゾウ:洲之内さんも一体走りをご経験されたことはあるのですか?

洲之内:高校生の頃に走りました。地区の男性はほぼ9割近くが経験しています。担ぎ手になると祭りの1ヵ月くらい前から夜に集まって神輿を担ぐ練習をします。担ぎ手全員の足並みが揃わないときれいな走りができないので、地区の先輩の指導のもと、掛け声と足を合わせる練習を徹底的に行います。足が揃うまでには相当の練習が必要です。現在、私は担ぎ手の若者たちを指導しているのですが、たとえ下手であっても最後まで無事に走りきってくれると涙が出るくらい嬉しいです。

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注目ポイント

神輿を川で清める川狩り神事

洲之内:各地区の神輿は、走り終えるとそれぞれ自分たちの地区に戻ります。安城寺地区では、自分たちの地区に戻ると地区内を巡幸し、その後、神輿を川で祓い清める「川狩り」の神事を行います。川狩りは安城寺地区だけに伝わるもので、由来としてある言い伝えが残っています。昔、安城寺の太夫田(たゆうだ)という場所に神様を祀ったほこらがありました。その神様を勝岡八幡神社に一緒に祀ることになり、地区の青年たちがほこらの神様をうつした神輿を担いで勝岡八幡神社に向かったのですが、神社の石段をどうしても上がることができませんでした。そこで引き返して地元の川で神輿を洗い清めてから再び神社に向かうと、今度はスムーズに上がることができました。その故事から川狩りが始まったということです。


シシゾウ:どのようにして神輿を清めるのですか?

洲之内:川狩りは夕方の4時半頃、久万川の川岸に設けられた川狩り場で行われます。川狩りは川の中で行うのが本来ですが、昭和40年代に久万川の汚染がひどくなって川に入れなくなりました。そこで住民の要望で川狩り専用の施設として平成12年に整備されたのが川狩り場で、プールのように水が貯められるようになっています。
神輿が川狩り場に着くと、ふんどしに豆絞りの手拭いで頬かむりをした老若の男たちが神輿を担いだまま、水深が大人の膝程度の川狩り場の中に入っていき、ひとしきり神輿を勢いよくかいてから水の中に据え、両手で水をすくって神輿に盛大にかけます。川狩りがユニークなのはここからで、神輿を十分洗い清めて担ぎ手たちが神輿を川狩り場から上げようとすると、周りで見ていた観衆が神輿に向かって用意していた藁(わら)を投げつけます。そのため、神輿も男たちも藁まみれになります。これは「水から上がるのはまだ早い」という意味で行われるもので、昔は藁だけではなくイモの蔓など秋に収穫されたものを投げていたそうです。神輿を川や海の水で清める風習は各地にありますが、神聖な神輿に藁をかけるのは安城寺の川狩りだけだと思います。

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ふるさと自慢

柑橘と四国八十八ヶ所霊場が名物・名所

シシゾウ:松山市勝岡町でおすすめの特産物や観光スポットを教えてください。

洲之内:愛媛ということで柑橘類、特にイヨカンの生産が盛んでミカンもおいしく、一体走りの時期には極早生(ごくわせ)のものが出回ります。勝岡八幡神社には、一体走りのイラストが入った絵馬を売っているので、祭りを見にいらした記念にお買い求めいただくのもいいと思います。観光地では「四国八十八ヶ所霊場」の第52番札所の太山寺(たいさんじ)と第53番札所の円明寺(えんみょうじ)が近くにあり、お遍路さんの姿をよく見かけます。

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メッセージ

朝日に輝く一体走り、
夕日に映える川狩りをご覧ください

洲之内:一体走りは、ちょうど昇ってくる太陽に向かって走るので神輿が朝日に輝いてとてもきれいです。他所では見られない珍しい祭りなのでぜひ見にいらしてください。また、一体走りをご覧いただいた後は、ぜひとも安城寺地区の川狩りも併せてご覧いただければ嬉しいです。天気が良い場合は夕日が神輿の金具や水にキラキラ反射し、男たちの勇姿とあわせて見応えがあります。安城寺地区の神輿は川狩りをするので他の地区よりも傷みやすいですが、最近本格的な修理を行ったばかりなので今年の祭りは特にきれいな神輿をご覧いただけると思います。

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