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阿月の神明祭

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:KRY 山口放送
放送
:2月25日(土) 13:00~13:55

ダイドードリンコスペシャル

阿月の神明祭 ~東と西の誇りをかけて~

阿月の神明祭

阿月の神明祭は、瀬戸内海に面した山口県柳井市阿月に360年以上続く伝統行事です。
「とんど」と神明信仰、さらに軍神祭が合わさった火祭りとされています。
祭り当日の早朝から、身を清めた白装束の若者たちが酒樽に棒をかけて担ぎ練り歩き、法螺貝の合図で高さおよそ20mの御神体を東神明宮と西神明宮の前に2本起こしたてます。新婚の男子を海に投げ入れて祝福した後は、太鼓や踊りを披露し、御神体に火をつけます。
番組では、祭りを通して結びつく地域の人々を描きます。

祭り紹介

  • 祭り写真館

阿月の神明祭

白装束の若者たちが酒樽に棒をかけて練り歩き、法螺貝(ほらがい)の合図で、神明(しんめい)と呼ばれる高さ約20mの御神体を東西2ヵ所に立て無病息災、五穀豊穣、厄除けを願います。「神明祭」、「小早川氏軍神祭」を合わせた独特の祭事で、平成21年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。

開催日
2月11日※毎年同日
場所・アクセス
山口県柳井市阿月地区東および西の神明宮前
・JR山陽本線柳井駅より「宇積」「相の浦」「池の浦」行きバス(阿月方面行きバス)で約20分
お問い合わせ
阿月公民館
0820-27-0001

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

祭りのご紹介
歴史
みどころ
注目ポイント
ふるさと自慢
メッセージ
阿月神明祭顕彰会 会長 若山 享(わかやま すすむ)さん
「360年以上の歴史を持つ由緒ある行事で、平成21年に国の重要無形民俗文化財に指定されました。阿月で生まれ育った人間は小さいころから祭りで披露する神明踊りや神明太鼓に親しんでいるので、東京や大阪に就職して盆正月に帰らなくても神明祭には帰ってくるという人が多いです。」
阿月神明祭顕彰会 会長
若山 享(わかやま すすむ)さん
歴史

天にそびえる2体の御神体を燃やす壮大な火祭り

シシゾウ:阿月の神明祭は、いつごろ始まった祭りですか?

若山:阿月の神明祭は、文禄元年(1592)、豊臣秀吉の命令で中国地方を地盤とする小早川氏の分家にあたる浦宗勝(うらむねかつ)とその子、景継(かげつぐ)が、戦国大名の小早川隆景(たかかげ)に従って朝鮮半島へ出陣したとき、伊勢神宮へ祈願をして大勝したことから始まった軍神祭に、伊勢神宮を崇敬する神明信仰、さらに一般に「とんど」「どんど」の名で知られる正月行事の「左義長(さぎちょう)」が習合して行われるようになった祭りを起源にしています。阿月では正保元年(1644)、浦氏の十代目、就昌(なりまさ)が領主として移ってきてから行われるようになり、360年ほどの歴史があります。祭りの内容は朝、阿月の神明宮前の浜に鉾(ほこ)を模した大きな御神体を立て、夜、御神体に点火して燃やすというもので、神明太鼓、神明踊り、長持ちじょうげなどの芸能も奉納されます。


シシゾウ:御神体はどういうつくりになっているのですか?

若山:阿月地区が東と西に分かれて、東地区、西地区がそれぞれ1体ずつ御神体を作ります。「神明様」と私たちが呼ぶこの御神体は、東地区が女の神様の天照皇大神宮(あまてらすこうたいじんぐう)、西地区が男の神様の豊受大神宮(とようけだいじんぐう)とされています。御神体そのものの作り方は東西まったく一緒です。芯となるのは松の木で、それに竹、笹、椎、裏白(うらじろ)、梅、さらに伊勢神宮の御札や御幣などで豪華に飾り付けます。松の木は祭りの2週間前に地元から伐り出してきます。そのほかの材料もすべて地区で用意します。「神明様に使うんじゃけ」と地区の人は誰でも喜んで寄付してくれます。飾り付けは1日がかりで、完成すると高さは20mほどになります。東と西の御神体は200mほど離して寝かした状態で浜に置かれます。この御神体をまっすぐに立てる「起し立て(おこしたて)」をすると神様が降りてくるといわれています。

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みどころ

2体の御神体が海を臨んで威風堂々立ち上がる

シシゾウ:御神体の起し立てはどのように行われるのですか?

若山:起し立てをするのは裸ん坊(はだかんぼう)と呼ばれる、鉢巻から肌着、足袋まで全身白いものを身につけた若者たちです。裸ん坊は祭り当日、朝5時から集まって皆でお酒をいただいて身を清めます。朝から誰に叱られることなく正々堂々とお酒を飲めるので、酒好きな人は神明祭を特に楽しみにしています(笑)。
起し立てを行うのは朝8時です。法螺貝と太鼓の音に合わせて、20人ほどの裸ん坊に、同じ白装束を着た小学生たちや世話人なども加わった総勢40~50人で御神体にかけたハズ(=綱)を引っ張ってゆっくり起こしていきます。巨大な御神体が立ち上がっていくところはとても勇壮な眺めです。
起し立てが終わると、水祝いといって、その前年に結婚した男性を海に投げ落とします。昔は裸ん坊になれるのは独身男性と決まっていました。今は地区の人間の数が少なくなったので既婚者も混じっていますが、それでも結婚すると一応裸ん坊は卒業ということで祝いの意味を込めて行われます。毎年2~3人、海に落とされる若者がいます。阿月出身で他所の土地に就職していても、結婚したので神明さんのときに海に落としてくれと本人から頼まれることも多いです。小学生も大人を真似して、子ども同士で海に落とし合いをするのでとても賑やかです。
それから御神体に点火する夜になるまで神明太鼓、神明踊り、長持ちじょうげが行われます。


シシゾウ:神明太鼓、神明踊り、長持ちじょうげは、どういった行事ですか?

若山:神明太鼓は、起し立てのときに叩かれる太鼓を現代風にアレンジしたもので、地元の子どもたちが昼1時から阿月の公民館で披露します。
神明踊りは昼と、夜の点火前に御神体の周りで踊られる奉納踊りです。昔は東地区と西地区がそれぞれ踊り手を出していましたが、今は人数が少なくなったので東、西と順番に踊っていきます。歌の音頭と太鼓に合わせて男性同士、女性同士が2人1組になって踊るのが特徴です。男性には、鼠小僧と岡っ引き、柳生但馬守(やぎゅうたじまのかみ)と十兵衛(じゅうべい)、赤穂浪士や新撰組などの役柄があり、それにふさわしい扮装をしてペアとなり、槍や刀、菅笠(すげがさ)を持って勇壮に踊ります。女性も着物姿で笠や短刀を持って踊ります。踊り手は総勢100名ほどで、保育園児から大人まで年齢層はさまざまです。阿月の人間は保育園のころからこの踊りを踊っているので、大抵の人は神明踊りといえばすぐ踊れます。
長持ちじょうげは、昼の神明踊りと夜の神明踊りの間に行われます。裸ん坊3人が、神様へのお供え物を入れて運んだとされる長持ちを棒にくくりつけて担ぎ、長持囃子(ながもちばやし)というお囃子に合わせて、十文字を踏むような独特のステップで町を練り歩きます。おそらく他所にはない珍しい風習だと思います。

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注目ポイント

夜空を焦がして燃え上がる御神体

シシゾウ:御神体への点火はどのように行われるのですか?

若山:御神体に点火することを「はやし方(かた)」と言い、夜8時から行います。点火は東、西の順番で行い、点火前には神明踊りが奉納されます。火をつけるのは総代です。火が御神体に移ると、周りの人間は「シャンノシャンノシャン」「マイドローヤー」という景気づけの掛け声をかけます。掛け声の正確な意味は分かりませんが、私は「御神体がよく燃えますように」「神様、無事にお帰りください」といった意味合いがあるのではないかと思います。
御神体が炎を上げて燃え上がって1~2分後には、皆で御神体を支えているハズを引っ張って海側に引き倒します。これはハズが燃えて切れてしまうと、どこに倒れてくるか分からず危険だからです。御神体が浜に横倒しになると同時に、周りで見ていた人たちはワッと駆け寄ります。お目当ては御神体の飾りで、持って帰ると家内安全や無病息災の御利益があるとされています。中でも紙でカニを模した「かに」と呼ばれる飾りは、家に飾ると耳の病気が治ると言い伝えられています。


シシゾウ:神明祭を見るときのアドバイスはありますか?

若山:起し立てからはやし方まで祭りの一部始終を見ていただきたいので、朝からお越しいただくのが一番だと思います。早朝から裸ん坊が集まってお酒を飲み、太鼓を叩いて神明祭の音頭を歌うので、祭り気分を満喫していただけると思います。

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ふるさと自慢

瀬戸内の新鮮な魚、白壁の町並み

シシゾウ:柳井市阿月地区でおすすめの特産物や観光スポットを教えてください。

若山:柳井市は瀬戸内海に面していて、昔から水産業が盛んです。阿月地区には阿月漁港があり、とれたての海の幸をお楽しみいただけます。阿月地区には有名な観光地はありませんが、柳井市の中心部に行けば約200mの通りに江戸時代の商家が立ち並ぶ「白壁の町並み」があります。この町並みは国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。新しい観光スポットとしては平成18年に「やまぐちフラワーランド」という花と緑の公園がオープンし、地元の人間や観光客に人気です。

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メッセージ

熱い思いで地域の宝である祭りを守り伝えています

若山:阿月には私を筆頭に祭り大好き人間が揃っています。年の暮れに知り合いと出会うと、御神体にする松の木はどこに伐りに行くか、年内に結婚した者は誰がいるか、など神明祭の話題でもちきりです。祭りが近付けば頭の中は神明さん一色です。御神体を作って、立てて、点火して、最後に倒されたときには今年の祭りを無事にやり遂げたという達成感と今年の祭りが終わってしまったというさびしさで涙が出そうになります。思いは早くも次の年の神明さんで、これから365日待つのかと指折り数える気持ちです。
阿月の人間にとって神明祭は誇りであり、宝物です。360年以上の伝統があるこの祭りを文化財として大切に守り次の世代に伝えていくことが、当代の私たちの責任だと思っています。

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