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水止舞

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:MXTV 東京メトロポリタンテレビジョン
放送
:2011年8月13日(土)21:00~21:55

ダイドードリンコスペシャル

水止舞 ~三体の獅子 天に踊る~

水止舞

大田区大森に、700年前から伝わる「水止舞」。地元で名高い厳正寺に奉納される舞で、大雨に苦しむ人々を救おうと雨が止むように祈願したことに由来する伝統行事です。見どころは2つ。2人の若者が藁で作った龍の中に身を潜め、雌雄ニ対の水の神「龍神」となり、ほら貝を吹き雄叫びをあげる「道行」。そして、雌雄の龍がとぐろを巻く中で、雨が止む願いが叶ったことを祝い、三獅子が境内で繰り広げる喜びと感謝の奉納の舞。番組では、こうした水止舞のハイライト場面を中心に、2ヵ月以上かけて進められる本番までの稽古などに迫ります。侍と漁師が築いたとされるこの町独特の人間関係と、都会には珍しい濃密な地域の絆が舞を支え、今年もまた新しい喜びの姿を作り上げていく様子を見つめます。

祭り紹介

  • 祭り写真館

水止舞

藁(わら)で作った龍の中にいる男性2人が、獅子舞行列の先頭で転がされ水を浴びせられながら、厳正寺まで法螺貝(ほらがい)を吹いて進むという祭りです。舞台では水止めの獅子舞が奉納されます。「水止舞」は、雨が止むように祈る日照りの舞という意味です。願いを叶えてくれた仏様への感謝と喜びを表しています。「水止め」の獅子舞は全国でもこの祭りだけです。

開催日
7月14日 ※毎年同日
場所・アクセス
東京都大田区厳正寺および周辺道路
・京急バス JR大森駅東口より「森ヶ崎行(2番のりば)」「大森東五丁目行(3番のりば)」「羽田車庫行(3番のりば)」いずれかに乗車 「大森警察」下車徒歩約5分
お問い合わせ
厳正寺水止舞保存協力会
03-3768-1810

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

厳正寺(ごんしょうじ)水止舞保存協力会 会長 平林 義正さん「他に似たもののない民俗芸能で、昭和38年に東京都の民俗芸能無形文化財に指定されています。地域の人間はこの祭りを非常に大事にしていますし、地元の子どもたちには龍神や獅子の役をしたいと憧れる子が多いです。」

【歴史】全国唯一、長雨が止むように祈って舞った獅子舞

シシゾウ:水止舞は、いつごろ始まった祭りですか?

平林:水止舞は、大田区大森の厳正寺に伝わる行事で、始まったのは厳正寺が海岸寺(かいがんじ)と呼ばれていた鎌倉時代のことです。元亨(げんこう)元年(1321)、武蔵国(むさしのくに)(現在の埼玉県、東京都、神奈川県の一部)は大干ばつにみまわれました。困った農民たちは、当時の寺の住職、法密上人(ほうみつしょうにん)に雨ごいを頼みました。そこで、上人は稲荷の像を彫り、社を建て、藁(わら)を編んで龍を作り、7日間雨ごいのお祈りをした後、船で海に出て藁の龍を海に浮かべました。すると、その龍は生きているかのように波間に姿を消していきました。これは願いが聞き入れられた印だと上人が仏前で御礼の経をあげていると晴れ上がっていた空がにわかにかき曇り、雨が降ってきました。農民たちは喜び、その年は豊作に恵まれました。それから二年後の元亨3年(1323)は3月3日からずっと大雨が降り続き、田畑は流されました。農民たちは嘆き悲しみ、二年前の雨ごいのせいだと当時の恩を忘れて上人を恨む者まで出てきました。哀れに思った上人は、龍の頭(かしら)を三体彫りました。そこに「水止」と書いて「しし」と読ませ、農民にその獅子頭をかぶらせ、笛や太鼓を叩かせたり、法螺貝(ほらがい)を天に向かって吹かせたりして、大森地区に伝わる獅子舞を踊らせました。そして、皆で天に向かって「雨よ、止め」と祈りました。すると、輝くばかりの青空が出てきました。喜んだ農民たちは上人を称え、仏様が願いを聞き入れてくださったことへの感謝の気持ちを表して、以後、獅子舞を奉納するようになりました。

シシゾウ:水止舞のような祭りは他にあるのですか?

平林:雨ごいの祭りは全国に多いですが、長雨が止むことを祈願して始まった祭りは水止舞以外に聞いたことがありません。それで、ひとつ誤解がないように申し上げておきたいことがあります。あくまでも、この水止舞は仏様への感謝の舞です。雨が降らない年に、「雨が少ないのに水止舞をやるのですか」という問い合わせの電話があちらこちらからかかってくるのですが、けっして雨が降らないよう祈願する舞ではありません。そんな力もありませんしね(笑)。
ところが、水止舞にはひとつ不思議なことがあります。この祭りが行われるのは、ちょうど梅雨の時期なのですが、水止舞の直前まで雨が降っていても、なぜか獅子舞が始まると雨が止むんです。明治の古老たちから私が聞いたところでは、今まで水止舞が雨に降られたことはないそうです。だから、地元では水止舞の獅子舞を「ひでりじし」と呼ぶこともあるくらいです。

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【みどころ】水をかけられた龍神の歓喜のおたけび

平林:舞の奉納前に、獅子舞一行が出発地の大森東中学校から厳正寺境内まで約300mを行列する「道行(みちゆき)」は壮観ですので絶対に見ていただきたいです。列を先導するのは雌と雄の龍神で、氏子の中から選ばれた人格、体格のすぐれた若者2人が、上り龍、下がり龍の絵が描かれた白地の着物を着て、とぐろを巻いている藁の龍の中に入っています。龍の体は、船のいかり綱の周囲に藁を巻いて作ったもので約10mあります。龍神役の若者は道行の間、ずっと法螺貝を吹き続けます。正面向かって右が雌の龍、左が雄の龍で、一体につき若者が4人がかりで、雌が先、次が雄というように交互に運んでいきます。そして、3~5m進むごとに立ち止まり、龍神を路上に転がします。すると、水の入ったバケツを持った子どもたちが容赦なく龍神に水を浴びせかけます。それでも、龍神役の若者はひるむことなく、法螺貝を力強く吹き続けます。この様子を見て、龍神が痛めつけられていると勘違いされる方もおられるようですが、龍は大好きな水をかけられて喜んでいるんです。法螺貝は喜びのおたけびを表しているわけです。
地面に転がされて水をかけられる龍神役も大変ですが、その龍神を運ぶ若者たちも、藁の龍が次第に水を含んで重くなっていくので、最後のほうになると4人がかりでも持ち上げるのに一苦労です。

シシゾウ:先導の龍神の後には、どういう人たちが続くのですか?

平林:龍神の次には、「警固(けいこ)」と呼ばれる子どもたちが続きます。警固は片手に青竹、もう片方の手には扇子を持ち、足元を固める意味合いで青竹を地面に打ちつけながら進みます。警固の後ろは笛で、道行の曲を演奏します。その後には、大きなボタンの造花で頭を飾り、手には楽器のささらを持った「花籠(はなかご)」が続きます。しんがりをつとめるのは三頭の獅子で、ささらと笛に合わせてお腹に結わえた太鼓を叩きながら進みます。

シシゾウ:行列が厳正寺に到着するとどうなるのですか?

平林:厳正寺に到着して、境内に設けられた舞台に近づくと行列一行に緊張がみなぎってきます。龍神は天に向かって一段と力強く法螺貝を吹きます。龍神は舞台に上がると、とぐろを巻いた身体を解かれてしまうので、舞台に上がるのを嫌がって暴れ回ります。激しく抵抗する龍神を、若者たちは数人がかりで一体ずつ舞台に上げます。道行の最後の見せ場です。龍神が舞台に上げられると見物人は拍手喝采ですよ。舞台上で、とぐろを解かれると龍神役はお役御免になります。また、ほどかれた龍の身体は、舞台の縁に相撲の土俵のようにめぐらされます。

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【注目ポイント】三頭の獅子が織りなす恋模様

平林:道行が終わると、この祭りのメイン行事の獅子舞が始まります。三頭の獅子は、それぞれ雄獅子、雌獅子、中獅子という役どころで、水止舞の誕生に関わった法密上人が鎌倉幕府執権(しっけん)の北条氏の出身ということで北条氏の家紋の「三つ鱗(みつうろこ)」の柄の着物を着ています。花籠も、獅子がボタンの咲く庭に踊るという見立てで、一緒に舞台に上がります。
獅子舞の曲は6曲あります。最初は、雌獅子が女らしく踊る「雌獅子の舞」、2曲目は、雄獅子と中獅子による「出羽(でわ)の舞」、3曲目は、三頭で踊る「三匹仲良く舞う」。4曲目も三頭で踊る「コホホオンの舞」です。"コホホオン"というのは歌の歌詞に出てくる言葉で、どういう意味なのかは分かっていません。5曲目の「雌獅子隠しの舞」は、ストーリーのある舞です。雄獅子が雌獅子を一人占めして自分の身体で隠しているところに、中獅子が横槍を入れて、雌獅子の前に出ようとしますが、雄獅子におどかされて逃げ出します。それでも中獅子はこりずに再び前に出ようとして、雄獅子に追い払われます。それを繰り返すうちに、雄獅子が油断した隙をついて中獅子はついに雌獅子の前に出ます。それで、雄獅子が怒った踊りをしますが、いくら怒っても後の祭りということで、最後には三頭で仲良く踊ります。それが6曲目の「三匹仲良く舞う」です。

シシゾウ:6曲の中で特に注目すべき曲はありますか?

平林:5曲目の「雌獅子隠しの舞」はぜひご覧いただきたいです。雌獅子をめぐって、雄獅子と中獅子がはりあうストーリーがよく分かる踊りで、見ていて楽しいと思います。ただ、5曲目が踊られるまで1時間ほどかかるので、例年、7月中旬の暑さに耐えられなくて観客の皆さんの大半は2曲目くらいで帰ってしまわれるのが残念です。できれば、日陰に入って休むなどして、5曲目まで見ていただければ嬉しいですね。

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【ふるさと自慢】海苔のふるさと・大森

シシゾウ:大田区大森地区でおすすめの特産物や観光スポットを教えてください。

平林:大森は、わが国の海苔養殖発祥の地と言われていて、東京湾が埋め立てられる前、浅草海苔で知られる江戸前の海苔を養殖していました。今もその伝統を守る海苔の問屋街があり、専門店が50軒近くあります。お店の方は本物の海苔の味を知る目利きなので、扱っている品もよりすぐりです。お土産におすすめですよ。

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【メッセージ】仏様へ日ごろの感謝を捧げる、喜びの舞です

平林:最初にも言いましたが、厳正寺の水止舞は「雨よ、止め」と祈願しているわけではなく、地域の人が仏様に御利益(ごりやく)をいただいていることをありがたく思って奉納する、仏様への感謝と喜びの舞です。これからも地域の人間が大切に思っているこの祭りを長く続けていきたいと思っていますので、皆さんのご協力をお願い致します。

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