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壬生の花田植

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:HOME 広島ホームテレビ
放送
:2011年6月18日(土)14:00~14:55

ダイドードリンコスペシャル

壬生の花田植 ~田んぼでつながる 祭り人の心~

壬生の花田植

毎年一万人近くの人々が訪れる、広島県山県郡北広島町の伝統行事「壬生の花田植」。新緑の山々が映りこむ田んぼ。豪華な花鞍で飾られた牛。ささらを持ったサンバイの指揮で笛や太鼓が鳴り響く中、田植唄を歌いながら苗を植える早乙女たち。壬生の花田植は、一年の豊作を願う伝統行事で、初夏の一大田園絵巻です。稲作が盛んな県北地方の人々にとって、田んぼは神様、花田植は人と人の心をつなぐかけがえのない地域の宝。苦しい田植え作業を楽しく行いながら、人々はコミュニケーションを育んでいます。そんな花田植の華やかな舞台の裏では、伝統を絶やすまいと、世代から世代へと受け継ぐための努力が続いています。失われつつある農村の原風景が残る壬生地区の風情とともに華やかな花田植を支える人々の情熱に迫ります。

祭り紹介

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壬生の花田植

煤竹を割って作った陰陽のササラを持って音頭をとる「サンバイ」が指揮し、大太鼓や小太鼓、笛や手打鉦(てうちかね)で囃(はや)し、菅笠、絣(かすり)の着物に赤い太鼓帯たすき掛けの早乙女が田植歌を歌いながら早苗を植えていきます。無病息災と、豊穣を願う農耕儀礼であると同時に、苦しい田植作業を楽しくしようとした華やかな行事です。

開催日
6月第1日曜日
場所・アクセス
広島県北広島町壬生商店街、千代田開発センター
・高速バス 広島バスセンターより「三次方面(県北方面・9番乗場)」乗車 「千代田バス停」下車徒歩10分(1時間に2~3本程度のダイヤ)
※各特設駐車場より無料シャトルバスも運行しています。
お問い合わせ
北広島町観光協会
0826-72-6908

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

壬生の花田植 保存会会長 藤本 隆幸(ふじもと たかゆき)さん「花田植には田の神様を迎えて、豊作を祈願するという目的がありますが、それ以上に、田植えを楽しく行いながら、若い男性と女性が出会って親しくなったり、牛飼いの人が自分の牛を自慢したりという、地域のコミュニケーションの場として貴重なものだったのではないかと思います。」

【歴史】苦しい田植えを楽しくする、先人の工夫から誕生

シシゾウ:壬生の花田植は、いつごろ始まった祭りですか?

藤本:花田植の起源にはいろいろな説がありますが、この地方に伝わる「囃し田(はやしだ)」という行事が元になっているという説が有力です。囃し田というのは、田植えをするのに農家が数軒集まり、男たちが太鼓、笛、鉦などで囃し立てる中、早乙女と呼ばれる若い女たちが田植歌を歌いながら苗を植えるというもので、正確な年代は分からないもののかなり古くから行われていたようです。囃し田が最も盛んだったのは江戸時代で、庄屋や地主が自分の田んぼに地域の人と牛を大勢集めて盛大に行ったということです。このとき、田植え前の水を張った田んぼの土を砕いてならす、代(しろ)かきを行う牛も、苗を植える女性たちもきれいに装ったことから、見た目にとても華やかだということで「花田植」と呼ばれるようになったようです。
明治時代になると農業は機械化が進み、花田植は一時期途絶えましたが、昭和の中頃に地域の伝統を保存継承しようという声が上がり、復活されました。昭和51年(1976)には国の重要無形民俗文化財に指定され、それを受けて町の商工会が中心になって壬生の花田植保存会が発足しました。現在、花田植の継承団体として川東(かわひがし)田楽団と壬生田楽団があり、祭り当日は2つの田楽団が合同で出演します。

シシゾウ:花田植を現在も行っているところは他にもあるのですか?

藤本:かつて花田植は広島県西部で広く行われていたようです。農業の近代化とともにその伝統は廃れていきましたが、広島県西北の芸北地域では、私たちの町以外にも、花田植の行事を続けている地区がいくつもあります。これらの地区に共通するのは、花田植に欠かせない牛が飼われていて、昔のままの田んぼが残っているところです。5月から6月にかけての田植えシーズンには、芸北地域のどこかで毎週のように花田植が行われています。その中で、壬生の花田植は一番規模が大きいと皆さんがおっしゃいます。

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【みどころ】総勢100余名が演じる迫力満点の田園絵巻

シシゾウ:壬生の花田植で、最大のみどころはどこですか?

藤本:壬生の花田植は伝統芸能と呼ばれるものですが、舞台で演じられる芸能とはまったく雰囲気が違います。花田植は田んぼという自然が舞台です。まず、泥田を牛飼いに引かれた牛が泥を威勢よくはねあげながら代かきします。続いて、田楽団の囃し方と早乙女が田んぼに入ります。絣(かすり)の着物に真っ赤なたすき、頭には菅笠(すげがさ)、手足に手甲脚半(てっこうきゃはん)を付けた早乙女たちは田植歌を歌いながら、列になって苗を植えていき、それを楽器を持った男たちがにぎやかに囃し立てます。手伝いの人も含めると総勢100人を越える人たちが一堂に会して、それぞれの役割を演じるところは迫力があり、実に壮観です。

シシゾウ:囃し方はどのようなメンバーで構成されているのですか?

藤本:サンバイ(三拝)、大太鼓、小太鼓、笛、手打鉦(てうちかね)です。サンバイというのはオーケストラでいう指揮者の役で、指揮棒の代わりに、ササラと呼ばれる2本の竹で拍子をとり、田植歌の出だしを歌います。大太鼓、小太鼓、笛、手打鉦は、早乙女たちがサンバイの後に続いて歌を歌い、苗を植えていくのをにぎやかに囃し立てます。
囃し方で一番目を引くのは、見事なバチさばきを見せる大太鼓でしょう。田植歌は100近いレパートリーがあるのですが、歌によって太鼓の打ち方は変わり、中には、バチを高く放りあげてキャッチして打つという曲芸のような打ち方もあります。1時間以上続く花田植の間中、足元が定まらない泥田の中で太鼓を打ち続けるのは、かなりの体力が必要です。そのため、大太鼓は田楽団の若手が務めることになっています。

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【注目ポイント】飾り牛が巨体を揺らし、通りや田んぼを練り歩く

藤本:花田植のもうひとつの主役は牛です。花田植に使われるのは昔から黒毛の和牛と決まっていて、金色の鞍や造花で華やかに飾られることから飾り牛と呼ばれます。昔は、各家々で飼われていた牛を使っていましたが、現在は、近隣の牧場に出演を依頼しています。以前は20頭を超える飾り牛が登場したこともありましたが、ここ最近は12~13頭です。牛の持ち主にとって花田植は自分の牛の立派さを披露する晴れ舞台です。当然、飾り牛の手綱をさばくのは持ち主だし、飾り牛の背中には、遠くからでもどこの牛だと分かるように所有者の名前が書かれた幟が立てられます。

 

シシゾウ:花田植の前にも行事があるそうですね。

藤本:観光で来られると花田植だけをご覧になる方が多いのですが、飾り牛や田楽団などの一行が、壬生神社から花田植会場まで行列する道行(みちゆき)からぜひ見ていただきたいと思います。道行はごく普通の商店街を通っていくのですが、行列の通り道と観客との間は仕切られていないので、牛が観客のすぐそば、手を伸ばせば触れられそうなところを歩いていきます。10数頭の牛が揃って行列するところを目の前で見られる機会はそうそうないと思います。飾り牛の後には田楽団らも続きます。それを見届けてから花田植会場に移動しても十分、花田植に間に合いますよ。

シシゾウ:藤本さんが、壬生の花田植で印象に残っていることはありますか?

藤本:牧場で飼育される牛のほとんどは雌牛ということで、花田植に登場する飾り牛はすべて雌牛です。でも、十年ほど前までは、体重が400㎏を超す雄牛が1頭いて、道行では先頭を務めていました。私たちの地域では、雄牛のことを「こっとい(特牛)」と呼ぶのですが、花田植のために飼われていたその雄牛はまさに特別な牛で、がっしりとした立派な体格で押し出しが良かったので、当時の道行は今以上に迫力がありましたね。

シシゾウ:当日は、花田植以外の伝統芸能も見られるそうですね。

藤本:北広島町には花田植のほかに芸北神楽、本地の花笠踊という3つの無形文化財があります。そこで、花田植の日に「無形文化財合同まつり」と題して、芸北神楽、本地の花笠踊も披露されます。午前中は町内の千代田開発センターのホールで神楽が行われ、昼過ぎから行われる道行には本地の花笠踊も参加し、踊りを披露します。そして、トリを飾って花田植が行われます。花田植を見に来られるなら、せっかくですので朝から来て、3つの伝統芸能を楽しんでいただきたいと思います。

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【ふるさと自慢】伝統芸能の宝庫・北広島町

シシゾウ:北広島町でおすすめの特産物や観光スポットを教えてください。

藤本:北広島町の無形文化財を展示紹介する芸北民俗芸能保存伝承館はぜひ行ってみてください。壬生の花田植はもちろん、他の伝統芸能についても理解が深められると思います。北広島町のおみやげ品を買うなら、中国自動車道千代田インターのすぐ近くにある道の駅 舞ロードインター千代田にお立ち寄りください。地元でとれた新鮮な野菜や加工品が直売されています。

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【メッセージ】懐かしい農村の原風景に逢いにきてください

藤本:壬生の花田植は2009年5月にユネスコの無形文化遺産候補に推薦されました。その発表があってから、見に来てくださるお客さんが増えました。保存会としては、皆さんに注目していただけるのは大いに励みになります。それと同時に、昔の田植えの形をきちんと後世に伝えていかなければならないと改めて責任の重さを感じています。
花田植は誰が見ても懐かしさを覚える農村の原風景だと思います。今は機械化された農業が当たり前になっていますが、花田植を見れば、昔はこうして人が手をかけて米を作っていたんだということを感じていただけるのではないでしょうか。

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