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塩屋湾のウンガミ(海神祭)

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:琉球放送 RBC
放送
:2009年10月4日(日)15:00~15:54

ダイドードリンコスペシャル

祈りを爬竜船に乗せて ~大宜味村塩屋湾のウンガミ~

塩屋湾のウンガミ(海神祭)

大宜味村の田港・屋古・塩屋・白浜の四集落が共同で旧盆明けの初亥の日に行う「ウンガミ(海神祭)」は五穀豊穣、無病息災を祈願する祭り。その歴史はおよそ500年といわれる。女性中心の祭祀で、祭り前夜に神事を司る“カミンチュ”と呼ばれる神女がニライカナイの来訪神を迎える祈願から祭りは始まる。祭りのハイライト・爬竜船競争(ウガンバーリー)。爬竜船団が勇壮に湾を渡ってくる様子は圧巻。男たちは気持ちを合わせて船を漕ぎ、女たちは腰まで水につかり太鼓を打ち鳴らしながら応援する。村に迎えた来訪神を再び海へと帰す大切な行事だ。祖先が残した祭礼に敬虔な気持ちで参加し、それを受け継いできた村の人々。祭りの歴史、祭りに思いを注ぐ村の人々の情熱を伝えたい。

祭り紹介

  • 祭り写真館

塩屋湾のウンガミ(海神祭)

沖縄県大宜味村塩屋湾地区に伝わるウンガミ(海神祭)は、海神を迎えて豊漁豊作を祈る神事で、毎年、旧盆明けの最初の亥(い)の日に行われます。塩屋湾のウンガミを執り行う地区のひとつ、塩屋区区長の知念章さんに塩屋湾のウンガミの見どころをお聞きしました。

開催日
旧盆明けの初亥
場所・アクセス
沖縄県大宜味村塩屋湾
・那覇空港から車(一般道)で約2時間30分
・沖縄自動車道 許田ICから車で約30分
・名護市から辺土名向け路線バスに乗車、 塩屋バス停 で降車して徒歩5~10分
お問い合わせ
大宜味村塩屋区公民館
0980-44-2453

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

塩屋区区長 知念章さん 沖縄で唯一、古式をとどめるウンガミ

シシゾウ:塩屋湾のウンガミはどういう祭りですか?

知念:塩屋湾のウンガミは海の彼方から訪れられるウンガミ(海神)様をお迎えし、海の幸や山の幸を祈願する神事で、旧盆が明けた初亥の日に行われます。元々、塩屋、屋古(やこ)、田港(たみなと)、白浜(しらはま)という4地区が共同で行なっていましたが、現在は大保(たいほ)、押川(おしかわ)、江州(えす)の地区も加わって、塩屋湾の7地区総出で行っています。

シシゾウ:塩屋湾のウンガミはいつ頃始まったのですか?

知念:塩屋湾地区の集落ができた400~500年くらい前から行われているのではないかと言われています。豊漁豊作を祈願するウンガミは沖縄本島の北部一帯で行われていましたが、今現在、祭祀の原形に近い形を留めているのは塩屋湾のウンガミのみといわれています。そのため、国の重要無形民俗文化財に指定されています。なぜ、塩屋湾地区だけにウンガミが昔のままの形で残っているのか、はっきりした理由は分かりませんが、塩屋湾は山に囲まれた入り江で、地域の人々は海と山から生活の糧を得ていたこと、地域の人々にウンガミを誇りとする気持ちが強いことが理由として考えられるのではないかと思います。元々、ウンガミは門中(もんちゅう)と呼ばれる集落の基礎となった旧家で行われていた神事です。塩屋湾地区は集落の血族意識が強いので、門中行事であるウンガミがきちんと継承されてきたのでしょう。
カミンチュ(神人)が活躍 知念:ウンガミは門中の出身者が活躍します。特に、カミンチュ(神人)と呼ばれ、神事を司る門中出身の女性は重要な役割を果たします。カミンチュの中にはいろいろな役があり、その中でも最高位となるのがノロと呼ばれる女性です。ノロはご神託によって門中の女性の中から選ばれます。現在のノロは田港区の方で、13歳からノロの役を務めておられます。ちなみに、ノロはウンガミだけでなく塩屋湾地区で行われる全ての神事の中心になります。琉球王国時代、沖縄は神の島ということで祭祀が大切にされていて、その伝統からノロは昭和の始め頃まで県知事から任命され俸給を受けていたそうです。カミンチュは以前、30名近くおられましたが、高齢化が進んだり、後継者がなかったりして現在は10数名になっています。
ウンガミを迎える祈りで幕開き

シシゾウ:ウンガミではどのような行事が行われるのですか?

知念:ウンガミの神事としては、まずウンガミ前夜にノロをはじめとするカミンチュの人たちがウンガミ様をお迎えする神事「ウンケー(御迎え)」を行います。ウンガミ当日、朝からノロの方たちは田港区のアサギに行って、ウンガミの安全や豊漁豊作をお願いする神事を行います。アサギというのは神様が降りてくるとされる神聖な場所です。神事が終わるとノロの方たちは屋古区のアサギに移動して、同じように神事を行ないます。田港のアサギから屋古のアサギへ移動する時、ノロの方たちは駕籠に乗り、シマンホー(島方)と呼ばれる門中の男性たちに先導され、神道(かみみち)と呼ばれる決まったルートを行列します。屋古のアサギでの神事が終わると、ノロの方たち一行は塩屋区の集落に向かいます。同じ頃、屋古区の海岸では、爬龍船(はりゅうせん)競漕、通称ウガンバーリーが始まります。
大小のハーリーが塩屋湾を疾走! 知念:塩屋湾のウンガミのメインイベントとして親しまれているのが爬龍船競漕です。爬龍船、通称ハーリーは沖縄各地の漁村で豊漁祈願の神事として行われる競漕に使われる船で船首を龍頭、船尾を龍尾に見立てて装飾されています。ウンガミの爬龍船競漕では田港、塩屋、屋古の3地区がそれぞれハーリーを出して、屋古の海岸から対岸の塩屋に向けて競争します。競漕を行うハーリーは大小2種類あり、小さなハーリー同士、大きなハーリー同士で競います。小さいほうのハーリーは20人乗りで、20代前後の若者たちが乗るので青年バーリーとも呼ばれます。大きなハーリーは40人乗りでベテランが乗り込みます。昔は、このハーリーにカミンチュの人がハーリー神として乗り込んでいたのですが、現在はハーリーに乗るカミンチュは少なく、カミンチュが乗らないハーリーにはカミンチュの装束を船に乗せています。神事とはいえ競漕ですので、他の地区には負けないよう乗組員は全力で漕きます。距離にして800m近くあるので体力的にはかなり厳しいです。余談になりますが、ウンガミが行われるのはちょうど台風シーズンで、今でこそ台風の時には競漕を取り止めますが、以前は海が荒れている時でも行っていました。高波を受けて船が沈んでも、皆で船を起こして競漕を続行したものです。
40人乗りハーリーは大ムカデ!? 知念:爬龍船競漕のゴールの塩屋の海岸では、それぞれの地区の女性たちが縞のかすりに稲藁の帯と稲藁の鉢巻を締めた伝統の衣装を着て、海に入り腰まで海水につかって「早くいらっしゃい」と太鼓を叩いて囃し立てながら、自分たちの地区のハーリーを迎えます。ハーリーがゴールすると、乗組員も櫂を持ったまま海に飛び込んで、櫂と櫂を打ち合わせて互いの健闘を讃え合います。

シシゾウ:爬龍船競漕の見どころはどこですか?

知念:ハーリーの乗組員たちがエイサーの掛け声も勇ましくハーリーを漕ぐ姿は見応えがあると思いますが、中でも40人乗りのハーリーは見ものだと思います。爬龍船競漕は沖縄全域で盛んで、糸満市の糸満ハーレーなどが有名ですが、40人乗りという大型ハーリーは塩屋湾にしかなく、沖縄のよその地域の方が私たちの船を見ると驚かれます。漕ぎ手が40人ともなると手漕ぎでもけっこうなスピードが出ます。私は子どもの頃、40名の乗組員が操る櫂がきれいに揃うので、大きなムカデが迫ってくるようだと思ったものです。爬龍船競漕をご覧になる時には、塩屋の集落の中心にあるハーミンゾーという森が小高い丘になっていて競漕の様子が一望できるのでお勧めです。
西の海に向かって豊漁祈願 知念:爬龍船競漕が終わる頃、ノロの方たちの行列は塩屋の海岸にさしかかります。ハーリーの乗組員や応援の女性たち、地元の見物人たちは皆、行列を厳かに出迎え、立っている人はしゃがんで、神様に今年のウンガミをお願いしますという思いを込めて手を合わせて拝みます。ノロの方たち一行はそこから「ナガリ」という神事を行うために兼久浜(ハニクバマ)に向かいます。浜に着くと、ノロの方たちは東シナ海のある西の海に向かって豊漁を祈願するお祈りをします。この祈願が終わると、シマンホーの男性が海の幸に恵まれますようにという思いを込めて、波打ち際でイルカをとる仕草をします。「ナガリ」での神事が終わるとシナバ(青年浜)に移動し、田港御嶽に向かってウンガミの報告をした後、ノロの導きによりカミンチュ全員が「ウムイ(思い)」を唱ってウンガミの全ての神事が終わります。この後、子どもと大人による奉納相撲などが行われます。
1年おきに踊り年 知念:今までお話した神事はウグワンマール(御願年)の場合です。塩屋湾のウンガミは、ウグワンマール(御願年)と、ウンガミの翌日に豊年を祈願する踊りを行うウルイマール(踊り年)とが1年ごとに行われます。ちなみに今年はウルイマールの年です。ウルイマールは塩屋区のアサギで行われ、伝統の衣装をつけた地区の女性たちが伝統の踊りを午後一杯をかけて披露します。この日のために女性たちは小学生から大人までウンガミの1ヵ月近く前から毎晩練習を重ねます。男たちはウルイマールではもっぱら見物役です。沖縄の祭りには普通、三線(さんしん)が登場するのですが、ウルイマールの踊りの囃子には三線は使われず、太鼓の伴奏だけで女性が歌い踊ります。この点も塩屋湾のウンガミが珍しいとされているところです。

シシゾウ:塩屋区以外の地区では、ウルイマールには何をするのですか?

知念:田港区、屋古区には塩屋区のような踊りはありません。その代わりにウンガミの2日目の報告を兼ねて、礼拝したり、集まってお神酒をいただいたりする「サーサイ」「サーサー」と呼ばれる行事が行なわれます。
ウンガミは地域の誇り。受け継いだ宝を守り継ぐ 知念:塩屋湾のウンガミは、国の重要無形民俗文化財にも指定されている歴史のあるもので、塩屋湾地区の人々の暮らしに深く根ざしている行事です。昔と違って最近は那覇や本土に移られた方が多いのですが、ウンガミには戻ってこられます。それだけ地域の人間がこの祭りにかける思いは強いですし、先人が培ってきたものを伝承しようと地域を上げて取り組んでいるところです。ウンガミを見に来られる方は、午後に行われる爬龍船競漕がお目当ての方がほとんどですが、午前中に行われる田港や屋古のアサギの神事もご覧いただくことができますので、沖縄の文化に興味をお持ちの方は、ぜひお越しください。
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