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萩の和船大競漕~おしくらごう~

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:山口放送 KRY
放送
:2009年6月20日(土)13:00~13:55

ダイドードリンコスペシャル

おしくらごう 海に生きる男たちの誇り

萩の和船大競漕~おしくらごう~

山口県萩市・玉江浦地区。ここは古くから漁業で栄えた町です。「おしくらごう」は、そんな玉江浦地区に藩政時代から伝わる伝統の和船競漕で、毎年6月の厳島神社祭礼に合わせて行われる、海の男たちの祭りです。木製の和船に7人の乗組員が乗船し、櫓や櫂を使って一定の距離を漕ぎ、その速さを競います。かつては、その乗組員に選抜されることが、一人前の漁業者としての証でもありました。しかし、時代の流れと共に、町の漁業者は高齢化、祭りの主役となる若者たちの数も減少しました。近年は、漁業就労者以外の人の参加も得ながら、祭りを続けているのが実情です。それでも、地元に残る海の男たちには、熱い思いがありました。番組では、海の男として、地域の祭りと共に生きる玉江浦地区の男たちの姿に密着します。

祭り紹介

  • 祭り写真館

萩の和船大競漕~おしくらごう~

ふんどし姿の若者が木造和船を漕いで速さを競い合う「おしくらごう」は、萩市の玉江浦(たまえうら)地区に伝わる漁村ならではの伝統行事です。旧玉江浦漁業協同組合組合長や、おしくらごう実行委員会委員長を歴任され、長年、おしくらごうの継承に努めておられる福永護(ふくながまもる)さんに、おしくらごうの見どころをお聞きしました。

開催日
6月上旬
場所・アクセス
山口県萩市橋本川下流(常盤橋・玉江間)
・JR玉江駅から徒歩で5分程度
お問い合わせ
山口はぎ漁業協同組合
0838-25-1493

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

おしくらごう実行委員会委員長 福永護さん 毛利藩の防衛に備え、始まった早舟レース

シシゾウ:どうして和船の競漕が行われるようになったのですか?

福永:おしくらごうの発祥についての文献は残っていないのですが、言い伝えられているのは、江戸時代に萩藩によって始められたということです。萩の街は、阿武川(あぶがわ)の支流、橋本川と松本川という2つの川に囲まれた三角州にあって、萩藩藩主の毛利輝元は、その三角州の一番海側に萩城を築城しました。そのため、陸側から攻められると、背後は日本海であり、連絡の取りようも逃げ場もないということで、非常時の連絡の備えとして、萩城のお膝元にある玉江浦地区の漁民に、毛利水軍の早船の訓練として船の速さを競わせたのが、おしくらごうの始まりと伝えられています。また、おしくらごうという名称ですが、「おしくらごう」の「おし」は字にすると「押し」、これは櫓を漕ぐという意味で、それを競争する「押しくらべ」が訛って今の呼び方になったのではないかと言われています。
城下町・萩が和船競漕の街に!

シシゾウ:競漕はどういった形で行われるのですか?

福永:おしくらごうは、玉江浦地区が3つに分かれ、地区対抗という形で3隻の船で競漕します。昔は4隻で戦っていましたが、漁業者の数が減ったため、1隻減った形になりました。漕ぎ手は、鉢巻を締め、上半身裸でふんどし姿になるのが伝統です。競漕とは言っても、一般のスポーツとは意味合いが違うので、どなたでも参加できるというものではなく、昔は玉江浦の漁業者だけしか、おしくらごうの船に乗ってはならないという決まりがありました。ですが、漁業が右肩下がりで後継者が少なくなり漕ぎ手が減ってしまったため、現在はサラリーマンの方など、どなたでも参加できる形をとっています。また昔は、おしくらごうに乗るのは一生に一度でしたが、近年は人材不足で二度三度と同じ人が乗ることもあります。おしくらごうが開催される形も変わってきており、2004年に行われた毛利輝元の萩開府を祝う「萩開府400年記念事業」を機に、「萩の和船大競漕」という名で、一般の人や中学生がおしくらごうの和船を漕いで競い合う和船競漕も一緒に行われるようになりました。一般の部、中学生の部は参加チームが10チームほどあり、昨年は一般の部に、初めて女性チームが出場しました。
船舶安全法上の関係で外海から河川へ

シシゾウ:競漕はどこで行われるのですか?

福永:萩の城下町の三角州を形成する橋本川の河口で、川幅が400m近くあるような場所で行われます。競漕する区間は、橋本川河口に架かる常盤(ときわ)橋と玉江橋という2つの橋の間の往復です。橋から橋までが1kmあるので2kmを競漕することになります。一般の部と中学生の部は一直線の300mです。今でこそ川でやっていますが、おしくらごうは元々、外海の日本海で行われていました。なぜ、川でやるようになったかというと、船舶安全法の改正によって外海で競漕する場合は危険のないよう救命胴衣をつけてやるようにと指導がなされた際、裸にふんどし姿で救命胴衣をつけたのでは競漕などとてもできない、ということで、川に競争場所を移したのです。戦後すぐ、私が20代だった頃は、まだ海でやっていました。当時、漕ぎ手は漁業者の中から鍛え抜かれた人物が選ばれていたので、台風でも来ない限り、海がしけて、船が水をかぶるときでも、おかまいなしにやっていました。今そんなことをしたら、船舶安全法規則に反する事になります。
見た目以上に手ごわい和船漕ぎ

シシゾウ:和船を漕ぐのは、難しいですか。

福永:競漕に使う和船は全長が10mほどの昔ながらの木造船で、櫓(ろ)を漕ぐ者5人と舳先(へさき)で櫂(かい)を掻く者2人の総勢7名で動かします。櫂を掻くのはそれほどでもないですが、櫓を漕ぐのはかなり重労働なので、20代から30代の比較的若い年齢が漕ぎ手になります。和船の櫓は独特で、漕ぐのを見ていると簡単そうでも、実際に櫓を握ったら非常に難しいんです。櫓は、櫓杭(ろぐい)と入れ子(いれこ)というものに支えられていて、櫓杭と入れ子がきちんとかみあうことで漕げるようになっているのですが、これがとても外れやすく、外れないよう上手に漕ごうとするには独特の技術がいるんです。また、たとえ1人1人が上手に漕げても、5人が息を合わせて漕がないと、船は揺さぶられるばかりで、前に調子よく進んでいきません。櫓を漕ぐ者5人がチームワークよく、櫓を漕ぐ息を合わせないかぎり、スピードは絶対出ないので、どの地区も祭りの1ヵ月前から猛練習します。
折り返し地点の逆転劇に注目! 福永:萩の和船大競漕では、中学の部、一般の部、おしくらごうの順番で、競漕が行われます。やはり、見応えは、クライマックスに行われるおしくらごうです。鉢巻をしたふんどし姿の男たちが、掛け声と共に、水しぶきを上げて櫓を漕く姿はなんといっても迫力があります。2kmを25分ほどで漕ぐのでスピード感がありますし、接戦になることが多いので、白熱すること請け合いです。おしくらごうのレースで特に盛り上がるのは、折り返し地点です。目印としてブイに旗が立ててあって、そこを回り込みながら櫂を掻く者が旗を取って、ゴールを目指すわけですが、ブイを上手に回れなかったり、へまをして旗を取りそこなって、もういっぺん取りに戻ったり、ということが起きて、追いついたり追いつかれたりの逆転劇が繰り広げられるので、そういったところも見物です。

シシゾウ:おしくらごうを見るのに、おすすめの場所はありますか。

福永:大会本部席が設けられている橋本川の河川敷が一番見やすいと思います。スタートから折り返し地点、そしてゴールまで、競漕のすべてを見られますし、本部席で放送している実況もよく聞こえます。ただ、やはりすごい人出です。折り返し地点の玉江橋の上も人気の場所ですが、こちらも非常に混み合いますので覚悟して行かれたほうがいいと思います。おしくらごう当日は、玉江浦ふるさとまつりが同時開催され、おしくらごうが終わった後も、河川敷の特設ステージでいろいろな催し物が行われるので、1日中、祭りの雰囲気を楽しめます。
海の男の心意気を伝え続けるおしくらごう 福永:玉江浦のおしくらごうは、単に漁村に伝わる伝統行事ではなく、玉江浦の漁業のしきたり全てに関わる行事で、我々漁業者にとって、とても大切な伝統行事です。明治時代以降、200海里の規制があるまで、玉江浦地区は東シナ海を主漁場にする遠洋漁業で沸き返り、地元の若者は学校を卒業したら漁船に乗り込むのが当たり前でした。そんな若者たちが集団生活をしながら漁業者としての訓練を受ける場所が青年宿でした。漁業の不振や高齢化などで青年宿のしきたりはなくなりましたが、青年宿は漁村・玉江浦の象徴であり、その青年宿の象徴として、おしくらごうがあるのです。漁船に乗る若者にとって、集落の青年宿を代表して、おしくらごうに出ることは、これ以上ない名誉でした。選ばれる者は日頃の行いも体力も優れている模範青年だったので、若い者は皆、おしくらごうに出られないのは男の恥というくらいの意気込みで1年間一生懸命働きました。だから、おしくらごうで勝利することの価値は今とは比べようもありません。漁業が昔ほどの勢いがないのは事実ですが、毛利藩政時代から300年近く継承してきた地域の大切な行事を、人がいないからやめようというわけにはいきませんので、なんとしてもおしくらごうの伝統を守っていきたいと思っています。
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