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おろごめ

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:南日本放送 MBC
放送
:2009年7月4日(土)16:00~16:54

ダイドードリンコスペシャル

砂のあなの合戦 ~錦江湾・こども達のおろごめ~

おろごめ

垂水市柊原地区に伝わる“おろごめ”は、400年近く続く子供達の祭り。藩政時代、武士達が軍用馬を得るために野生の馬を谷に追い込んで捕まえる姿が勇壮だったことから、子供達に元気に育ってほしいという願いが込められている。ルールはシンプル。砂浜に穴を掘って、子供達が馬役(子頭:1年生から5年生)と捕まえる側(親頭:6年生)に分かれて、互いに穴の外に追い出す。かつては穴も18の集落に一つずつあったものの、子供の減少と共に穴の数も減り、今年の穴は1つになる可能性が高い。これ以上児童数が減ると、400年続いた祭りの開催も危うくなると、子供育成会は心配している。自分達が続けてきた祭りを次の世代に残していきたいと、地域が一体となる柊原に、今年もおろごめの季節がやってきた…。

祭り紹介

  • 祭り写真館

おろごめ

「おろごめ」は鹿児島県垂水市柊原(くぬぎばる)地区でその昔行われていた武士の馬追いの勇壮な姿にならい、旧暦の端午の節句に、男の子が武士役と馬役に分かれて砂浜で取っ組み合いをする伝統行事です。柊原地区公民館館長の森山稔(もりやまみのる)さんにおろごめの見どころをお聞きしました。

開催日
6月5日※毎年同日
場所・アクセス
鹿児島県垂水市柊原(くぬぎばる)地区
・鹿児島市から垂水フェリーで約35分
・鹿児島空港から車で約80分
お問い合わせ
柊原地区公民館
0994-35-2622

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

柊原地区公民館館長 森山稔さん 江戸時代の野生馬の馬追いを子どもたちが再現

シシゾウ:おろごめは、いつごろ、どのようにしてはじまったのですか?

森山:島津藩の藩政時代、ここ柊原地区で、武士たちが軍用馬を得るために野生の馬を谷に追いこんで捕まえていた姿が勇壮だったことから、子どもたちが元気に育ってほしいという願いを込め、島津藩の奨励ではじまった端午の節句の行事で、400年近い歴史があります。現在は、旧暦の端午の節句にあたる6月5日に行われます。

シシゾウ:おろごめとはどういう意味なのですか?

森山:おろごめの「おろ」は谷の奥、ごめは「込め」という意味で、野生馬をつかまえるために、入口が狭くなっていて奥が広くなっている谷に追い込んだことに由来しています。行事は、錦江湾(きんこうわん)に面した柊原地区の海岸で行われます。砂浜に掘られた大きな穴を「おろ」に見立て、その中で馬役の子どもと、馬を捕まえる武士役の子どもたちがふんどし姿になって格闘する、とても勇ましい行事です。
“あらうまひきだすうまがっせん” 森山:おろごめ当日、おろごめに出る男の子たちは朝の2時頃に集合します。暗闇の中、松明を手に、薩摩藩紋をつけた旗や白地に「あらうまひきだすうまがっせん」と書かれた幟を掲げ、先祖代々伝わってきた法螺貝をふきながら、地区にある小高い山へ登ります。名もない山なのですが、20~30分かけて上がっていき、一番てっぺんで山の神様に旗を立てて祈願します。再び、法螺貝を吹きながら山を下り、今度は浜にある切目王子神社に参拝します。それから、「おろ」のところに集まって戦いを始めます。
全身砂まみれになって取っ組み合い

シシゾウ:戦いはどのように行われるのですか?

森山:馬役の「コガシラ(子頭)」とコガシラを「おろ」の外へ出そうとする武士役の「オヤガシラ(親頭)」の攻防戦で、コガシラが全員、「おろ」から引っ張りだされるまで戦いは続きます。戦いの場になる「おろ」は、前日までに子どもたちが大人にも手伝ってもらいながら海岸の砂浜に掘っておくのですが、一辺が3mくらい、深さが1m50cmくらいの四畳半を一回り大きくした程度の広さで、階段状の出入り口を1ヵ所、設けています。戦いの前に、コガシラが全員「おろ」の中に入り、世話役の大人の「はじめ」の合図で、オヤガシラが「おろ」に入って行き、とっくみあいが始まります。

シシゾウ:オヤガシラとコガシラの役は、どうやって割り振るのですか。

森山:オヤガシラになるのは小学6年生、コガシラになるのは小学5年生以下と決まっています。コガシラは、「おろ」から引っ張り出されそうになると、激しく抵抗するのですが、そのとき、オヤガシラをいくら叩こうが蹴ろうが自由です。反対に、オヤガシラは一切、コガシラに手出しはできません。全員が裸にふんどし姿なので、引っ張り出すには、腕か耳かふんどしをつかむしかないんです。小学校1、2年くらいだと、オヤガシラに耳をつかまれただけで、ろくに抵抗もしないでツツツとついて行ってしまうような子もいますが、そのまま出されてはいけないと上級生が助けにいったりします。また、上の学年になり身体も大きいコガシラを出すのに、オヤガシラが数人がかりで寄ってたかって引っ張り出したりと、みなが組んずほぐれづになって、頭から足の先まで砂まみれになって戦ったりもします。そうやって最後の1人が外に引き出されるまで戦いは続くので、1回の戦いに最低でも30分はかかります。それを2回戦やるので体力が非常にいるんですよ。
このときとばかりに、下級生が上級生に下剋上!?

シシゾウ:森山さんはおろごめにどのような思い出がありますか。

森山:私たちの小さい頃は、今みたいにふんどしはつけないで、パンツ一丁でやっていました(笑)。ふんどしのように体をつかむ手掛かりがないので、オヤガシラはコガシラを引っ張り出すのに耳をつかむのです。ですから、コガシラは、耳に油を塗ってオヤガシラの手が滑るようにします。すると、オヤガシラのほうも工夫して、砂浜に手をつっこんで砂まみれにして滑らないようにしてから、爪をたてて耳をつかむのです。耳をつかまれたコガシラが、ものすごい勢いで暴れると耳の皮膚が裂けてきて血が出てきたり、オヤガシラはオヤガシラで、抵抗するコガシラに顔を叩かれて鼻血が出たり。当時は血が出るくらい当たり前という雰囲気でしたね。私がオヤガシラをした時のことはよく覚えています。下級生に体格のいい子が一杯いましたので、かなり叩かれて痛い目をみました。日頃、上級生にやられっぱなしの下級生は、おろごめになると、このときとばかりにやっつけにきますから。下級生にとってはいいうっぷんばらしになるのです。でも、どれだけおろごめで激しくやりあっても、そのときで納めてしまうので、祭りが終わった後に引きずることは一切ないんです。
「やっせん坊!」になったら負け

シシゾウ:こわがって逃げだすような子どもはいないのですか。

森山:低学年の場合、戦いもしないで逃げ出そうとする子も中にはおりますが、そんなことをしようものなら上から応援している親が臆病者といって怒るし、見ている集落のおじいさんたちも、この行事には思い入れがありますから「やっせん坊が!」と言って叱咤激励するんです。「やっせん坊」というのは鹿児島弁で「だらしのないやつ」「弱い子」という意味なんですが、これを言われたら、子どもも逃げるわけにはいかないんです。

シシゾウ:おろごめへ参加するのは希望者だけですか。

森山:地区の男の子は絶対参加で、親も承知しています。過保護な保護者もたまにおられますが、おろごめに関しては一切、例外は認められません。地域の柊原小学校もおろごめのために一生懸命協力してくださっており、「おろ」の準備のために、子どもたちを早めに家に帰らせたり、写真を撮影に来られたりします。ここの小学校に赴任して、初めておろごめをご覧になった先生は、みなさん、とても感動されます。

シシゾウ:伝統を守ってこられたおろごめですが、昔とは変わってきているところを教えてください。

森山:私ども柊原地区には集落が18あり、昔はそれぞれの集落でおろごめをやっていたので、約2kmほどの砂浜に「おろ」が18個掘られて、それぞれで戦いが繰り広げられていましたが、今は子どもが少なくなって近くの集落と合同で行うようになったため、「おろ」も3ヵ所までに減ってしまいました。「おろ」1個あたりの人数も、今はオヤガシラとコガシラを合わせて20人ほどですが、昔は40人近くいました。戦後、柊原地区は人口に対する子どもの割合が全国一高かった時期があったのですが、少子化は時代の流れで仕方ないですね。地域を盛り上げるために、よそにいる柊原の出身者は、盆や正月だけでなく、おろごめなど地域の行事があるときにもぜひ帰ってきてほしいなと思っています。
景観がきれいでうまいものもいっぱいの垂水にぜひお越しください。

シシゾウ:一般の人がおろごめを見に行ってもいいのですか。

森山:朝が早いので大変とは思いますが、ご覧になりたい方は、ぜひ見にきてください。集落の人間はほとんど応援に来ますし、地元鹿児島で有名な行事だということでテレビ局や新聞社の方も取材に来られます。柊原地区の海岸は国道220号線沿いにあるので場所は分かりやすいです。あたりがまだ暗い中、「おろ」の周囲に立てた松明の炎や、「おろ」の上から声援を送る大人たちが持つ懐中電灯の光に照らし出されて、取っ組み合う子どもたちの姿は壮観で見ものですよ。

シシゾウ:おろごめを見に訪れたときに、おすすめの観光スポットやご当地グルメはありますか。

森山:柊原地区は小さな集落ですが、目の前に錦江湾が広がり、正面には薩摩半島の開聞岳(かいもんだけ)、向かって右側に桜島があるという景観のすばらしいところです。垂水市全体も観光の街で、桜島の下にある湯脈からお湯が湧き出る温泉の町としても有名です。おいしいものもたくさんあります。錦江湾は水深が約240mありますが、底引網でとれる魚やエビは他では食べられないおいしさです。カンパチの漁獲とインゲンマメ生産は日本一ですし、焼酎も有名で、全国的に有名な銘柄の焼酎も作られています。最近は桜島の噴火も久しく途絶えていて灰もふりませんので、ぜひお出でください。
※公開時、平成21年1月7日では噴火しておりませんでしたが、平成21年4月9日に噴火しております。
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