秋田県羽後町西馬音内地区で毎年お盆の時期に3日間にわたって催される西馬音内盆踊りは、野趣に富んだ囃子と優美な踊り、独特の美しい踊り衣装が特徴で、国の重要無形民俗文化財に指定されています。西馬音内盆踊り実行委員会の一員として50年間、盆踊りの主催に関わっておられる西馬音内盆踊り実行委員長の佐藤良太郎さんに西馬音内盆踊りの見どころをお聞きしました。

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| 秋田テレビ AKT | ||||
| 2009年9月12日(土)13:30~14:25 | ||||
秋田県雄勝郡羽後町に700年前から伝わる西馬音内盆踊り。豊作祈願や盆供養のために始まったと伝えられています。西馬音内盆踊りは、にぎやかで勇ましい野生的な囃子と、優雅で流れるような上方風の美しい踊りの対照的な組み合わせが特徴です。踊りの輪は、ひなびた幻想的な雰囲気の中で夜中まで途切れることなく続きます。その踊りを鮮やかに彩るのが、代々家々に伝わる端縫い衣装です。それは、反物や端切れを縫い合わせ、まさに世界に一つだけの衣装なのです。番組では、92才で今もなお、踊り手として祭りに参加している孫たちのために端縫い衣装を作り続けている初枝おばあちゃんと祖母の思いを抱きながら伝統の踊りを守ろうとする姉妹の姿、家族の愛に迫ります。
シシゾウ:西馬音内盆踊りはいつ頃から踊られているのですか?
佐藤:はっきりした記録は残っていないので詳しいことは分かりませんが、言い伝えでは13世紀後半に豊年祈願として始められた踊りに、慶長6(1601)年、戦で滅ぼされた西馬音内城の旧城主をしのんだ元家臣たちが旧盆に踊った亡者踊りが合流したものではないかとされています。現在のように本町(ほんちょう)通りで行われるようになったのは天明年間(1781~1789)の頃だと言われています。
シシゾウ:西馬内音盆踊りは、どのような特徴があるのですか?
シシゾウ:「音頭」と「がんけ」は、それぞれどういう特徴があるのですか?
シシゾウ:「音頭」に入る地口は、どういうものですか?
佐藤:地口には伝統的な歌詞と唄い手が即興で作る歌詞があります。何十年と歌い継がれてきた歌詞は何種類もあり、「時勢はどうでも、世間はなんでも、踊りこ踊りたんせ、日本開闢(かいびゃく)、天の岩戸も、踊りで夜が明けた」などが代表的なものです。即興の歌詞のほうは唄い手の腕の見せどころで、ユーモアを交えたものやそのときどきの世相を風刺したようなものがあり、2~3年前にはイラク戦争を唄った歌詞も登場しました。西馬音内盆踊り保存会では毎年、地口の歌詞を募集していて、優秀作品は唄い手によって唄われます。シシゾウ:盆踊りが開催される3日間のスケジュールはどのようになっているのですか?
佐藤:3日間とも、踊りは夜の7時30分から始まり、16日と17日は夜11時、最終日の18日は夜11時30分まで踊られます。お囃子は「音頭」と「がんけ」が大体1時間交替で演奏され、盆踊りの開始と終了時には寄せ太鼓といってテンポの良いお囃子が演奏されます。約4時間の踊りのうち、夜7時半からの音頭の時間に踊るのは、ほとんど地元の子どもたちです。1時間ほどしてお囃子が「音頭」から「がんけ」に変わると、子どもの時間はおしまいということで、大人の踊り手たちが踊りの輪に入ってきます。
シシゾウ:盆踊りの会場はどのようになっているのですか?
シシゾウ:踊り手はどういう方々ですか?
シシゾウ:踊りを覚えるのは難しいですか?
佐藤:西馬音内盆踊りは動きが優美なだけでなく、手ぶり、足さばきが複雑ですので、初めての人が見よう見まねで踊れるような簡単な踊りではありません。私たち地元の人間は小さい頃から習い覚えてきたからこそ踊れるわけです。町外にお住まいで「ぜひとも踊りを覚えたい」という方は、西馬音内盆踊保存会が毎月1回、一般の方向けに踊りの講習会を開いていますので、そちらに参加していただければと思います。
シシゾウ:踊る立場からすると、西馬音内盆踊りはどういうところが魅力ですか?
シシゾウ:踊り手の踊りを見る時の注目ポイントはありますか?
佐藤:手のふりに目が行きやすいのですが、本当に踊りの上手な人は手ぶりだけでなく足さばきも見事ですし腰も定まっています。ご覧になるときは手の動きだけでなく足腰の動きにも注目してください。
佐藤:西馬音内盆踊りは踊りやお囃子だけでなく、衣装も非常に魅力的だと思います。最近、女性の踊り手が増えているのは衣装の美しさも一役買っているのではないかと思います。端縫い衣装は、西馬音内の女性たちが昔からそれぞれ工夫と意匠を凝らしてきたもので、単に華やかに絹布を縫い合わせればいいというものではなく、同じ種類の絹布が左右対称になり、裾に行くほど暗めの色の絹布を配するといった決まりごとがあります。西馬音内地区の旧家には大抵、古い衣装が残っています。私の家にも古い端縫いの衣装が4~5着あり、その中には江戸時代末期のものもあります。こうした古い衣装は盆踊り期間中に飾る習慣があります。本町通りの商店街には古い衣装を店内に展示している店が結構あります。歴史民俗資料館や盆踊会館でも盆踊り関連の展示をしているので、盆踊りの始まる前にご覧いただければと思います。
佐藤:数年前、東京からマスコミ関係の方がツアーを組んで私たちの盆踊りを見に来られて後日、感想を送ってきてくださったのですが、その中で特に印象的だったのは「まるで宮崎駿監督の映画『千と千尋の神隠し』の世界の中にまぎれこんだようだった」という言葉でした。それを読んで「言い得て妙だ!」と膝を打つ思いでした。西馬音内盆踊りの魅力は、この言葉に集約されると思います。夜、かがり火が焚かれ、その周りを極彩色の端縫い衣装や、黒いひこさ頭巾で頭を隠した人たちが妖艶に踊っている光景を目の当たりにされると、異次元の世界に迷い込んだような気分になられると思います。興味のある方はお越しいただき、この世のものとは思えない幻想的な雰囲気を味わっていただければと思います。







