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八朔祭

※このページは写真・文章ともに過去の祭り情報になります。 今年応援する祭りはこちらから

TV番組情報

制作
:熊本放送 RKK
放送
:2009年9月21日(月・祝日)16:00~16:53

ダイドードリンコスペシャル

「大造り物」(おおつくりもん)は自然の恵み ~石橋の里の八朔祭~

八朔祭

八朔祭は、秋の収穫を前に農家の人たちを慰労する目的で町衆が行なってきた祭り。「大造り物」の引き廻しと審査が、祭り最大の呼び物だ。今年は9つの地区が、趣向を凝らした「大造り物」を制作し、「金賞」(第一位)を狙う。ところが制作担当者たちの表情はいまひとつ。というのも「大造り物」の材料は、草木や木の実など自然のものを使う決まりになっているが、ススキや松ぼっくりなど、かつて身近にあった材料が温暖化や害虫の影響で手に入らなくなったのだ。人口の減少に伴って、作り手不足・高齢化も進んでいる。そんな逆境にもめげず、制作に情熱を燃やす地区のメンバーたち。道なき道を分け入り材料を集める材料班と、伝統の技術を駆使する制作班の連携プレーで見事な「大造り物」が出来上がっていく。はたして「金賞」はどこの手に!?

祭り紹介

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八朔祭

八朔祭は、山都(やまと)町(旧矢部町)で行われる江戸時代から続く祭りで、自然の素材を使って巧みに人や動物を造形した大造り物の引き廻しが呼び物の祭りです。山都町八朔祭実行委員会委員長の橋本晴男さんに八朔祭の見どころをお聞きしました。

開催日
9月の第1土・日曜日
場所・アクセス
熊本県上益城郡山都町浜町商店街一帯
・熊本交通センターから熊本バスで80分、 バス停:矢部出張所下車
お問い合わせ
山都町八朔祭実行委員会事務局
0967-72-1158

※掲載された情報につきましては、独自に集積したものであり、変更されている場合もあります。
 お出かけの際には各祭りの主催者へのお問い合わせや公式サイトなどで必ずご確認ください。

山都町八朔祭実行委員会委員長 橋本晴男さん

シシゾウ:八朔祭はどのような祭りですか?

橋本:八朔祭は、江戸時代中期の宝暦8年(1758)に始まったと伝えられています。2日間にわたって、豊作祈願祭やパレードなど様々な行事が行なわれますが、メインイベントは2日目に行われる大造り物の引き廻しです。この大造り物は山都町に伝わる独特な山車で、人や生き物を、草木などの自然の材料で造形した精巧かつ巨大な像を台車に載せたものです。昨年の祭りでは、各町内や地元の小学校、高校で作られた9基の大造り物が矢部の町を引き廻されました。

シシゾウ:大造り物はなぜ作られるようになったのですか?

橋本:八朔というのは旧暦の8月1日のことで、その昔、農家の人たちが田の神に感謝し、収穫の目安を立てる日とされていました。この日は農作業が休みになるので、町周辺の農家の人たちは商店のある矢部に繰り出しました。そこで、矢部の商店の人たちは、普段からお世話になっているお得意様の農家の人たちをもてなそうと、酒肴を用意するとともに店先に造り物を飾りました。最初はそれぞれの店でやっていたのが、250年ほど前に「どうせなら町全体でやろう」ということになり八朔祭が始まりました。最初の頃の造り物は、動かさない据え造り(すえづくり)で、それほど大きいものではありませんでした。ところが、町内に5つあった商店街が互いに競い合ううちに造り物が大きくなっていき、さらに大勢の人に見てもらいたいということで造り物を大八車に載せて町内を回るようになり、現在の姿になったと言われています。
エコロジー!?でBigなアート作品

シシゾウ:八朔祭の大造り物には、どのような特徴があるのですか?

橋本:全国には様々な祭りの山車がありますが、八朔祭の大造り物は非常に独特な山車だと思います。一番の特色は、材料に自然のものだけを使うことです。木の枝や皮、松かさ、ススキの穂など野や山に自生する草木を使い、例えば、動物の牙や角を作る時も削ったりしないで、できるだけそのままの形を生かし、いかにもそれらしく作るのが伝統芸術としての大造り物の魅力です。完成すると高さが5~6m、長さが7~8m、重量は2t近くになり、ご覧になるとその迫力と精巧さに驚かれると思います。初めて見た時、身震いするくらいびっくりしたと言われた方もいらっしゃいます。

シシゾウ:大造り物で作られるのは、どのような題材ですか?

橋本:神様や歴史上の人物、動物や空想上の生き物が多いです。ただ、テーマは時代とともに少しずつ変化してきていて、最近は、世間で話題になっていることや庶民の願望を題材に取り入れるようになってきています。私は下市(しもいち)連合組で20歳から大造り物の制作に携わってきたのですが、一昨年に第一線から退いて息子たち若い世代に企画制作をバトンタッチしました。彼らはその年にヒットした映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』をテーマに『造り物も欧米か!カリブの海賊 山都に上陸』というタイトルの作品を作ったんです。初めての洋物テーマで、私としては伝統の祭りに合うのかなと一抹の不安があったのですが、ふたを開けてみると観客の方に大変好評で、話題になりました。

シシゾウ:大造り物の制作にはどのくらいの日数がかかるのですか?

橋本:年が明けると、今年はどんなテーマで作ろうかという話が町内で出始めます。実際に制作に取りかかるのは祭りの1ヵ月半くらい前からです。まず、大造り物の制作作業をするためのテントを建て、それから材料を集め、制作に取りかかります。以前は3週間くらいで作っていましたが、最近は人手不足で4~5週間かかっています。

シシゾウ:どんなメンバーで大造り物を作るのですか?

橋本:町の皆で作るのですが、どこの町でも本物の作り手と言える人間は4~5人で、それを他の人たちが手伝うという形になります。組ごとに伝統技術があるのですが、制作は1年に1回のことですし、なのですぐに覚えられるようなものではなく、何十年間か経験しないと本物の作り手にはなれません。制作が最終段階になると、作り手は奥さんに商売を任せきりにして、朝早くから夜遅くまで大造り物作りに没頭します。仕上げの段階には女性も加わり、町の全員で手伝います。
大造り物のテーマはトップシークレット! 橋本:大造り物は、伝統的に他の組よりできるだけ立派なものを作ろうと競う風習があります。現在も、審査員によって審査され、優秀な大造り物は表彰されるので、各組とも毎年一生懸命趣向を凝らします。作る題材は祭りの当日まで他の組には秘密にされます。昔は、お嫁さんが別の町の出身だと、秘密を守るために祭りが終わるまで実家にお嫁さんを帰しておくということもしていたそうです。今はさすがにそこまではしないものの、手の内を明かさないように、夏の一番暑い時期なのに、わざわざテントを張って外から見えないようにして制作しています。

シシゾウ:大造り物の制作で一番大変なのはどんな点ですか?

橋本:毎年一から作り直すこともあって、材料集めにはかなり苦労します。環境破壊の影響で、古い木や松かさなどが昔のように簡単に入手できなくなりました。ススキの穂などもよく使うのですが、温暖化の影響で季節の進み方が狂い、ススキの穂を集めるために海抜500mの山都町よりもさらに高地に遠征しなければなりません。私たちの組では材料集めに、20人近くの集団で阿蘇方面や宮崎県まで1週間ほど連続して遠征したりしています。後継者不足も深刻です。3年くらい前から年初めに「人手がないので、今年は八朔祭の造り物はできない」という話が町内で聞こえてくるようになりました。それでも祭りの時期が近づくと、血が騒ぐというか、作らないと町の人たちに悪いような気がしてどこの組でも制作に取りかかります。そうやって皆が頑張ってきたから、山都町・矢部の八朔祭の大造り物の伝統が今まで守られてきたのだと思います。
巨大像が町中を練り歩く!

シシゾウ:大造り物の引き廻しはどのように行われるのですか?

橋本:引き廻しが始まるのは、祭り2日目の日曜日の午後1時からです。町内の子どもたちや商店街の青年部のメンバーなどによって引かれた大造り物は、太鼓・笛・鉦の八朔囃子を先ぶれに自分たちの町を出発し、町の中心部にある八朔祭本部を目指します。八朔祭本部に着くと、早く到着した順に入場し、2時から順番に審査員の審査を受けます。審査が終われば、また順路に従い町内を回りながら自分の組に帰っていきます。賞の審査結果は全組の引き廻しが終わった夕方5時に本部で発表され、表彰式を行います。祭りが終わると、大造り物の一部は町内にある国指定重要文化財、通潤橋(つうじゅんきょう)そばの「道の駅通潤橋」に展示され、残りは各町内で1年間展示されます。

シシゾウ:大造り物の引き廻しを見る時、お勧めの場所はありますか?

橋本:お祭り広場と八朔祭本部は、どの大造り物も必ず通過するので、待っていれば全ての大造り物を見ることができます。お祭り広場は、矢部のメインストリートでわかりやすい場所にあります。大造り物の審査会場になっている八朔祭本部はお祭り広場から500mほど離れた場所にあり、各組の代表が自分たちの大造り物のアピールをするので、使っている材料の説明や制作の苦労話を聞くことができます。
通潤橋とセットで楽しんでください
橋本:元々、八朔祭は農家の人を慰安するために始まった祭りなのですが、今では観光メインの祭りになりました。豊作祈願祭などが行われる1日目の参加者は、ほとんどが地元の人間ですが、大造り物の引き廻しがある2日目には、熊本県はもとより九州一円、関西方面から約5万人の観光客が訪れます。2日間とも臨時駐車場を用意していますし、2日目には駐車場からシャトルバスも随時運行します。

シシゾウ:山都町の観光にお勧めの場所はありますか?

橋本:山都町に来られたら通潤橋の放水はぜひご覧になられるといいと思います。通潤橋は農業用水と生活用水を渡すために作られた石橋で、橋の中にたまった土砂を排出するために年1回実施していた放水が、現在、観光用に行われています。八朔祭の2日目には、通潤橋の放水が普段より多く、朝10時から夜8時の間に6回行われるのでぜひ見ていただきたいです。通潤橋の近くには、「通潤用水と白糸台地の棚田景観」として一昨年に国の重要文化的景観に選定された棚田があります。祭りの時期はちょうど稲穂が出るころで、素晴らしい眺めが見られると思います。大造り物の引き廻しを見に来られるのでしたら、午前中に来ていただき、通潤橋の放水と棚田をご覧になり、午後から大造り物の引き廻しをご覧になると良いのではないでしょうか。この日は、フィナーレとして夜8時から通潤橋放水と同時に花火大会があるので、1日中祭りを楽しんでいただけると思います。
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