「春の藤原まつり」は春のみちのくを代表する祭りです。5日間にわたって様々な催し物が行われるこの祭りのメインイベントは、悲運の武将、源義経の東下りの様子を再現した「源義経公東下り行列」です。奥州藤原氏の栄華をしのばせる華やかな王朝時代行列について、東下り保存会会長の泉信平さんに見どころをお聞きしました。

※過去の祭り情報になります。2012年に応援する祭り34
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| いにしえの鼓動!みちのく平泉 藤原まつり | ||||
| テレビ岩手 TVI | ||||
| 2009年5月24日(日)14:00~14:55 | ||||
悲運の武将、源義経が慕ったみちのく平泉。いにしえのロマンを秘めたこの地が年に一度、萌えるような新緑の季節に華やぎます。約800年前の様子を再現した「源義経公東下り行列」をメインイベントに5月1日から5日間にわたって、奥州藤原氏の栄華が再現されます。東下り行列では国宝金色堂へと続く急な坂道を牛に曳かれて御所車が上ります。この大役を担う牛は祭のためだけに飼育され、本番2ヶ月前に牛舎から出て、足腰の鍛錬を始めます。人馬ならぬ「人牛」一体となった登坂は大変な苦行です。番組では連日繰り広げられる「春の藤原まつり」の華々しい表の表情と、それらを支える裏方の活躍ぶりもご覧いただきます。また昨年、世界遺産への登録が見送られた平泉ですが、この地が持つ歴史的価値は普遍です。今日まで残る建造物等もあわせてご紹介します。
シシゾウ:5日間にわたる春の藤原まつりではどのような催しが行われるのですか?
泉:春の藤原まつりは5月1日から5日まで開催され、中尊寺や毛越寺を中心としたエリアで、奥州藤原氏四代の追善法要、稚児行列、能や狂言の奉納、弁慶力餅競技大会など様々なイベントが行われます。この祭りのメインイベントは3日に行われる源義経公東下り行列です。兄の頼朝に追われ、奥州平泉に落ちのびてきた義経を、奥州藤原氏三代藤原秀衡公が自ら温かく出迎え、平泉の民衆も歓喜したという故事を再現した華やかな時代行列です。
シシゾウ:源義経公東下り行列はいつ始まったのですか?
泉:昭和30年代に、この祭りの保存会の初代会長だった私の父親ら、地元の有志たちが、義経の東下りの故事を祭りにできないかと考えて始まったものです。今でこそ衣装は京都の専門業者さんから借りていますが、最初は自分たちで反物を買って手作りで着物や足袋を作り、鎧や刀は本物を少しずつ買い集めていったということです。一番苦労したのは御所車で、どこにも売られていないし当然設計図もあるわけがないので、研究のために京都に祭りを見に行って、大工さんや鍛冶屋さんと一緒に想像しながら作ったそうです。そんな地元の手作りの祭りが、いまや東北を代表する祭りになったと思うと感無量です。
シシゾウ:源義経公東下り行列はどんな行程で進むのですか?
シシゾウ:行列の構成を教えて下さい。
泉:本行列の人数は91名と決まっています。義経公、秀衡公をはじめ武蔵坊弁慶、金売吉次など役が20ほどあって、義経に従っている武者たちにも全員名前があります。これは昔、私の父親たちが行列を始めたときに、できるだけ正確に再現しようと『吾妻鑑(あづまかがみ)』などの文献をあたって調べたものです。
シシゾウ:御所車は本物の牛が引くそうですね。
シシゾウ:義経役はどうやって決めているのですか?
泉:義経役は芸能人の方に務めていただくのですが、毎年12月に東京の芸能事務所からリストアップしてもらった10名ほどの候補者の中から、義経のイメージに合う人を関係者が選んでいます。今までに村上弘明さん、稲垣吾郎さん、藤原竜也さん、妻夫木聡さんなどが務められています。20歳前後の若い方に扮していただくことが多いせいか、これまでの義経役の方々は、行列に参加した後、不思議にすごく人気が出ているんです。そのため、平泉で義経役をするとブレークするというジンクスも生まれているそうです。これまでの義経役で印象に残っているのは2005年の滝沢秀明さんですね。滝沢さんはちょうどその年のNHK大河ドラマ『義経』で主演の義経役を演じていました。人口が約9000人の平泉町に20万人をはるかに超える人が集まって、電車とバスは動かなくなるわ、歩道は座り込む人で大混雑して歩けなくなるわで大騒ぎでした。トイレを借りる人で、普通の民家に行列ができるほどでした(笑)。
シシゾウ:義経役以外の人選はどのようにしているのですか?
泉:藤原秀衡公は県知事さんなど県の名士の方が務めます。その他の主要な役については、例えば金売吉次は銀行関係、侍大将は鉄道関係というように慣例化してきているところもあります。祭りが有名になってからは行列に出たいという依頼が県内県外問わず自薦他薦を含めて多くなったので選ぶ我々も大変です。20年ほど前までは地元の人間を配役していたので、私も若い時に金売吉次をやらせてもらいましたが、今は行列自体が有名になり、地元の人間はメインキャストでは出られないです(笑)。地元の人間が扮するのは、鎧武者や僧兵、子どもの童子、侍女です。鎧武者や僧兵は厄年の人たちを優先して扮してもらっています。子どもの役は希望制ですが、応募が殺到するので競争率は非常に高いですね。
シシゾウ:行列の一番の見どころはどこでしょうか?
泉:毛越寺の「義経公ねぎらいの場」だと思います。毛越寺の庭園にある大泉が池で、藤原秀衡公と義経公、北の方、武蔵坊弁慶が、船頭が漕ぐ龍頭鷁首(りゅうとうげきしゅ)の小船に乗って池を一周し、その間、池の中島では、重要無形民俗文化財になっている毛越寺伝来の「延年の舞」が舞われます。約30分間の催しですが、毎年、池の周りは見物の人の波でにぎわいます。シシゾウ:行列の道中を見物するなら、どの場所がお勧めですか?
泉:行列を少しでも長く見たい場合はJR平泉駅前です。ロータリーを回るので見られる時間が長いですし、観客が大勢いて歓声とともに盛り上がります。義経役の芸能人をじっくり見たいという人は、中尊寺で行列がやって来るのを待つのもいいと思います。中尊寺に行列が着くと、貫首さんに出迎えられた義経役のタレントさんがインタビューを受けますので、生の声を聞くことができます。シシゾウ:平泉町といえば世界文化遺産の話題で注目されていますね。
泉:平泉の文化遺産は、残念ながら2008年度の登録は延期されてしまいました。とはいえ3年後の本登録に向けての準備が既に始まっていますので、このサイトをご覧になっている皆さんもぜひ応援していただきたいと思います。平泉町には、奥州藤原氏が築いた中尊寺、毛越寺のほかにも柳之御所遺跡など平泉文化を象徴する史跡、高館義経堂などの義経ゆかりの地があり、見どころはたくさんあります。義経公東下り行列を見に平泉に来られたら、このような名所旧跡をまわられて平泉の歴史を感じてください。





