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北海道雨竜郡沼田町で毎年8月の第4金・土曜日に行われる「沼田町夜高(ようたか)あんどん祭り」は、鮮やかな色彩が施された大型あんどんをぶつけ合う、勇壮で優雅なお祭りです。
30年以上前、「夜高あんどん祭り」をはじめた中心メンバーで、現在は沼田町夜高あんどん祭り保存会会長をつとめる吉住敏夫さん(74)に、祭りの見どころをお聞きしました。 |
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沼田町夜高あんどん祭り保存会
会長 吉住敏夫さん |
スタッフ:「沼田町夜高あんどん祭り」とはどのようなお祭りですか?
吉住:北海道には伝統あるお祭りがなかったんです。私は沼田町で米屋をしていましたが、青年の頃から町のために何かやりたい、本州で行われているような伝統ある祭りができないか、とずっと思っていました。沼田町を開拓した沼田喜三郎氏の故郷が、現在の富山県小矢部市だったことが縁で、昭和52年に沼田町から私を含めて8人が小矢部市の祭り「夜高あんどん祭り」を見に行きました。大きなあんどんをぶつけあう、スケールの大きさに「やりたい!」とは思うものの、 「とてもやれるものではないな」という気持ちもありました。しかし小学校に上がる前の小さな子どもたちが夜高あんどんの歌を「ヨイヤサ、ヨイヤサ」と歌っている姿を見て感激、「絶対この祭りを沼田町でやろう」と決意したのです。さっそく小矢部市の人に沼田町へ来ていただいて、あんどん作りを指導してもらいました。そして昭和52年9月、第一回「沼田町夜高あんどん祭り」を開催しました。それが沼田町での「夜高あんどん祭り」はじまりです。
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吉住:あんどんには車輪がついていて、後ろから押し、また前からひっぱって動かします。大型のあんどんは高さ7メートル、長さ12メートル、重さ5トンもある大きなものですが、すべて沼田町の町民が手作りしています。去年は大小含めて21基のあんどんが祭りに出ました。あんどんを出す団体は保育所、幼稚園、小学校、中学校、高校といった学校関係も含まれていて、町民の半分、およそ2000人が祭りに関わっています。毎年1月頃から今年はどんなあんどんを作るかの相談が各団体で始まり、4月頃からあんどん作りがはじまります。
スタッフ:あんどんの設計図はあるのですか?
吉住:基本の形があり、それをもとにみんなで考えながら作ります。竹であんどんの骨組を作り、骨組みの中に約500個の電球を配線し、骨組みでできた面の大きさ、形にあわせて和紙を切り、一枚一枚貼ります。この和紙をはる作業がとても大変なのです。というのも大型あんどん1基に和紙がおよそ6000枚必要にも関わらず、 半日で一人、2枚から3枚しか貼ることができないからです。和紙を貼り終えたら、蝋(ろう)引きで図柄を描きます。夜高あんどんには独特の図柄があるので、描くのは町で15人ほど認定した「夜高あんどん師」たちです。そして最後に鮮やかな色を塗ったら完成です。こういう作業を町のあちらこちらで、夜な夜な集まってやるわけです。沼田町が田舎といっても、人が集まる機会はあまりないので、あんどん作りを通して、コミュニケーションできるのがとてもよかったと思っています。 |
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スタッフ:それぞれのあんどんを見るポイントどこですか?
吉住:蝋引きした絵柄ですね。夜、あんどんを遠くから全体を見るだけではなく、近くからひとつひとつの絵を見て欲しいです。
夜、遠くから見るとただ真っ赤に見えますが、昼間近くで見ると、図柄はもちろん、造詣もとても手がかかっていること、またあんどんそれぞれの違いもわかります。
特に祭りの土曜日の昼間は、本通りにあんどんを並べているので、じっくり見てもらえると思います。
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スタッフ:「夜高あんどん」を見る、お勧めの場所はどこですか?
吉住:祭りは2日間行われますが、金曜日は午後6時30分頃、南一条にすべてのあんどんを集め、小型から大型まで整列します。そして7時過ぎ、あたりが薄暗くなったら一斉にあんどんの電気を点灯します。ずらっとあんどんが並んで、一斉に点灯する様子はとてもきれいで、毎年感激します。それから少しずつ間をあけ、一列になってあんどんが町を練行します。あんどんの練行は金曜・土曜日とも行われますが、土曜日には保育所や幼稚園のあんどんは出ないので、小型ですが愛らしいあんどんや一生懸命に踊る子どもたちも見るのならば、金曜日に来ていただきたいです。 土曜日の昼間には、あんどんの色塗り体験や、人数は限られますが大型あんどんの運行を体験できるイベントもあります。
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スタッフ:若い人たちも「夜高あんどん」に積極的に参加しているのですね。
吉住:若い子が元気で、いろんなアイディアを出します。祭りをはじめてから、5年目くらいの時に、若い子たちが、目がぴかぴか光る龍のあんどんを作りましたが、さらに口から白い煙を吐いたら格好いいなぁと言いはじめました。 面白そうだということで、彼らは二酸化炭素ボンベを仕込んで、龍の口からガス状にしたものを噴射する仕掛けを作ったのです。最初はあぶないから止めようと言っていたのですが、大変な迫力で、観客の皆さんは驚かれていました。今では高校生たちのあんどんでも、ガスを噴射するようになりました。 |
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スタッフ:お祭り、最大の見どころを教えてください。
吉住:2日ともですが、練行の後に行われる大型あんどんのぶつかり合いですね。
2基のあんどんが向き合い、あんどんの前方にある大きな木を3つ重ねて縄で縛った「三ツ俵」という部分を振り下ろして、相手のあんどんの前方にある「吊りあんどん」を叩きつぶすのです。5トンもある大型あんどんのぶつかり合いは、地面が揺れるくらいの迫力で、大変人気があります。
スタッフ:一生懸命つくったものを潰されてケンカになりませんか?
吉住:「夜高あんどん祭り」は五穀豊穣を祈願する祭りなので、来年、生命の再生ということからも、派手に潰されたほうがいいのです。だからぺしゃんこにされた方が喜んでいますよ。また各大型あんどんは、ぶつかり合いに備えて、予備の「吊りあんどん」を15個以上作っています。つぶされた後の取替えの素早さも見どころです。 |
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スタッフ:注目のあんどんはありますか?
吉住:お祭りでは、あんどんの練行・あんどんの総合的な仕上がりなどを審査する、あんどんコンクールも行われます。現在、大型あんどんを出す沼田商工会、沼田町役場、JA北いぶき、沼田自衛隊の4つがライバルとして張り合っています。他のあんどんは、学校や会館など公共の場所で作るため、どういうものを制作しているか事前に情報が流れるのですが、この4つはそれぞれの場所で作っているので、情報が漏れてきません。祭り当日にあっと言わそうと頑張っています。この4基がいいライバルとなり、今後祭りはますます発展していくと思っています。 |
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スタッフ:最後に「夜高あんどん祭り」をアピールしてください!
吉住:「夜高あんどん祭り」は子どもからお年寄りまで、2000人を越える町の人たちによる、手作りのお祭りです。だからみな燃えています。ホント、燃えるふるさとです!この祭りを初めて見た人が、「来年もまた必ず見に来る!!」と毎年興奮して帰られます。見ている方も大いに燃える祭りです!
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