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2006年の阿蘇神社 火振り神事
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ダイドードリンコスペシャル
「炎で祝う神の婚礼 ~阿蘇神社火振り神事~」
制作 熊本放送 RKK
放送 2006年4月2日(日)14:00~14:54
およそ2300年の歴史を誇る阿蘇神社で行われる「火振り神事」は農業神≪国竜神≫の結婚の儀式。氏子たちは総出で祝いの松明を振り、境内には炎の輪があふれる。こうした神事になくてはならない氏子たちの一家を通して、日本に脈々と続く地域と神社との関わりをひも解いていく。

2006年祭り写真
阿蘇神社
・JR豊肥本線 宮地駅下車、徒歩15分
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祭りのご紹介
30年近くにわたって「阿蘇神社火振り神事(しんじ)」で場内案内アナウンスをしているのがASO一の宮町観光協会広報宣伝部長の岩下誠さん(67才)です。岩下さんに「火振り神事」の見どころを聞きました。

「火振り神事」は神さまのアツアツ結婚式!?

ASO一の宮町観光協会宣伝広報部長の岩下誠さん
ASO一の宮町観光協会
広報宣伝部長の岩下誠さん
スタッフ:「阿蘇神社火振り神事」とはどのようなお祭りですか

岩下:「火振り神事」は、阿蘇神社十二神の「三の宮・国龍神(くにたつのかみ)」の結婚式です。「御前迎(ごぜむか)え」ともいいます。三の宮は農耕の神様で、妻を迎えられると農作物がよく育つといわれているんです。
三月は月に3回申(さる)の日がありますが、このお祭りは、2回目の申の日に行われます。朝、神職(しんしょく)と青年団の若者2人が、一の宮町から約12キロ離れた阿蘇市赤水字宮山(みややま)の吉松宮へ姫神(ひめがみ)様を迎えに行きます。
姫神さまのご神体をお御輿に入れ、若者2人が担いで阿蘇神社に向かいます。
夕闇が迫る頃、阿蘇神社の参道では、茅(かや)を束ねた松明(たいまつ)がたくさん用意されています。姫神さまのお神輿が阿蘇神社の参道に入ると、爆竹が上がって、待ち構えていた氏子や一般客が一斉に松明に火をつけて振り、姫君さまのお御輿をお迎えします。松明を振るのは、姫神様の足元を明るく照らして阿蘇神社にご案内するためです。

今に伝わる古式ゆかしい花嫁道中

今に伝わる古式ゆかしい花嫁道中 岩下:姫君様のお御輿道中は、とても古式ゆかしいものなんです。
かつて清水がこんこんと湧き出ていた塩井川の堰(せき)に立ち寄って、姫君さまが手や顔を洗ったり、身を清める儀式があるんです。今は塩井川の堰は枯れてしまって湧き水はでていなんですが。
そして小代家(しょうだいけ)という神社関係の家に立ち寄って、化粧直しをし、ちょっとしたお食事をとったあと、阿蘇神社へ向かわれます。阿蘇神社は2300年の歴史ある神社です。古式ゆかしい祭事が今に伝えられているんです。

火振りのコツ教えます

火振りのコツ教えます スタッフ:松明はどれくらいの数を用意してあるんですか?

岩下:昨年は約800個、作りました。観光客の方も「火振り」を体験していただけます。
ただ、火のついた松明を振るのは危ないので、指導をさせていただいています。当日は観光協会の本部事務所へきていただいてもいいですし、参道に担当者もいますので気軽に声をかけてください。

スタッフ:松明はどれくらいの大きさですか?

岩下:松明は乾いた茅(かや)を束ねたもので、長さが1メートル70センチから2メートルくらい、直径は20センチくらいです。
松明の束の左右両方に火をつけます。片方だけでは松明が平均して燃えないのでバランスが悪く、振り回しにくいんです。松明の中心部あたりをしばった荒縄の端を持って、しっかり腰を入れて、頭上でゆっくり回し廻していただくよう指導しています。

昔は町中が火の海だった!?

昔は町中が火の海だった!? スタッフ:昔から800個ぐらいの松明を参道で振っていたんですか?

岩下:今は参道だけで松明を振りますが、40年、50年前までは一の宮町全域で振ってました。だから阿蘇盆地全体が火の海のような感じだったんですよ。すごい迫力がありましたね。 その当時はまだ町にも藁葺きの屋根もあったんですが、火の粉が飛んできても、火災が起きない、不思議なものでした。

始まりは「景気づけ」

始まりは「景気づけ」 スタッフ:姫神さまの足元を照らすために松明を振るのは何故ですか?

岩下:そのことをよく聞かれるんですよ。「姫神さまの足元を照らすためなら、松明をかざすだけでいいじゃないか、なぜ振り回すのか?」って。もともとは長い松明をもって姫神さまのお御輿を先導していたのが本来の姿なんですよ。ところが昔、若いものが「お祝いごとだから、景気づけに」って振り回し始めたのが火振りの最初なんだと、私はひいおじいさんからそう聞きました。

松明が一斉に燃える音とは

松明が一斉に燃える音とは スタッフ:「火振り神事」のここを見て欲しいというのは?

岩下:阿蘇神社の参道で姫君のお御輿の到着を1000人以上の人が待ちわびています。

楼門から入ってこられる段になったら、火振りでお迎えするわけですが、火振りの音がすごいんです。 「ゴー」という音がなって、そして歓声があがるんです。その高揚感といったら。これだけは体験していただかないと伝わらないのがもどかしいですね。 時間が経つにつれて、松明の火の輪がどんどん増えて、幾重にもなったように見えるので、とても幻想的なんです。

松明の灰もご利益あり

岩下:松明を燃やした後の「灰」ですが、これを持ち帰る方もいます。
それを神棚に飾ると、無病息災にご利益があるとか。

スタッフ:「火振り」に参加する際に、注意することなどありますか?

岩下:指導するときにもお伝えするんですが、松明が人に当たらないよう、間隔をあけていただくということ。 それと服装ですが、化繊のものは避けていただいた方がいいですね。 燃えやすい素材ですから。綿などの方がいいですね。

「火振り神事」は阿蘇に春を呼ぶ祭りです

松明の灰もご利益あり スタッフ:サイトの読者に「火振り神事」をアピールしてください!

岩下:「火振り神事」は、厳しい雪に閉ざされた阿蘇の、春を待ちわびる地元の人の熱気が伝わるお祭です。 頭上で松明が燃える「グワーッ」というあの音を聞きながら回していただいたら、福が来るような感じがすると思います。松明は充分に用意しています。 小さなお子さんも指導しますので、家族連れで「火振り」を体験して、いい春を迎えていただきたいですね。